要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑

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要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑
出版社
サンクチュアリ出版

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出版日
2020年04月13日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「仕事術」というと、プラスの部分をさらに伸ばして、デキるビジネスパーソンを目指すような響きがある。しかし本書の「仕事術」はひと味違う。マイナスからゼロに引き上げて、仕事のスタートラインに立つことを目標としている。「会社に行くだけで精一杯」「上司に怒られないか、いつもビクビクしている」「ケアレスミスばかりで落ち込む」。そんな、毎日しんどい思いをしている「要領のよくないビジネスパーソン」に救いの手を差し伸べる一冊である。

著者、F太氏と小鳥遊氏も、自身を「要領がよくない」と思い込み、紆余曲折の社会人人生を歩んできた。しかしそんな2人が断言するのは「要領のよし悪しは、まわりの人間の評価で簡単に変わる」「『やり方』で仕事への苦手意識はなくせる」ということだ。実際F太氏は、自分の仕事ぶりは変わらないのに職場によって評価が変わる体験をした。小鳥遊氏は、タスク管理ツールを駆使することで、ストレスフリーな働き方を実現した。

本書が最初に提案するのは、仕事のステップを細かに書き出す「手順書」の作成だ。タスクに名前をつけて、手順と担当者と締切を書く。「わざわざ書かなくても」と思うくらい小さなことまで書き出せば、やるべきことが視覚化され、落ち着いて取り組めるようになるのだ。

本書には、「会社で無理なく働いて、結果を出す」ための知恵が詰まっている。「要領がよくない」と悩む方はぜひ手にとってほしい。仕事のやり方をほんの少し変えるだけで、自信がつき、周りの評価も変わるはずだ。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

F太(えふた)
1984年生まれ。Twitterを中心に活動。フォロワー数は約37万人。
学生時代に公認会計士の勉強を始めるも不合格。アルバイトも3か月でクビに。うまくいかない日々の中、ダメな自分自身がかけてほしい言葉や、めんどくさいながらも何とか行動するための方法などをTwitterでつぶやき続けていたところ、多くの共感を得られてフォロワーが急増。その後Twitterで独立。こんな自分でも仕事ができるようになったタスク管理のよさを伝えたくて、本書共著者小鳥遊氏と「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」というイベントを継続開催。大橋悦夫氏の考案した「タスクシュート時間術」を世に広める活動もしている。2019年、jMatsuzaki株式会社の経営に加わる。著書に『明日ちょっと運がよくなる、思考のメモ』(大和出版)がある。
Twitter:@shh7、@fta7

小鳥遊(たかなし)
1976年生まれ。本名は髙梨健太郎。
発達障害の1つADHD(注意欠如・多動症)と診断される。仕事の抜け漏れや要領の悪さから自分を責め、抑うつや適応障害から休職や退職をくり返す。その後、仕事の管理を自作Excelツールで工夫しADHDの特徴をカバーできるようになり、ネミー株式会社での勤務を経て、現在はフリーで活動中。本書共著者F太氏とともにその体験と仕事術を紹介するイベント「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」を継続開催。また自作ツールをクラウド化し、社会福祉法人SHIPの協力のもと「タスクペディア」として無料提供。さらに、就労移行支援事業所EXP立川で自身の経験を元にしたプログラムを毎週担当。その仕事術によってストレスフリーな働き方とパラレルワークを実現している。
Twitter:@nasiken
ブログ:ForGettingThingsDone http://hochebirne.hatenablog.com/

本書の要点

  • 要点
    1
    どんな仕事も「手順書」をつくることから始めよう。ゴールまでのステップを細かく書き出し、それぞれに「誰がやるか」と「締切」を明確にする。
  • 要点
    2
    「なる早で」と頼まれても焦ることはない。無理のない期限を伝え、相手とすり合わせよう。
  • 要点
    3
    日付や時間を間違えないようにするには、カレンダーに予定を入れるとき、日時が確認できる情報源をあわせてメモするとよい。誰かと会う約束をしたときには、そのやりとりをカレンダーのメモにコピペしておく。

要約

【必読ポイント!】仕事の基本

すべての仕事は「手順書づくり」から始まる
PeopleImages/gettyimages

仕事を進める上でまず取りかかりたいのが「手順書づくり」である。仕事の種類や大小にかかわらず、どんな仕事でも、手順書をつくれば落ち着いて仕事が進められるからだ。手順書は、次の5つのステップでつくる。

ステップ1は「名前をつけて書き出す」。「やらないといけないこと」に名前をつけて書き出そう。「部長から週報出してって言われてた!」と思い出したら「部長へ週報提出」と書く。頭の中に浮かんだものに名前をつけ、タスクとして書き出すだけで安心感が生まれる。

ステップ2は「タスクの手順を書く」。「部長への週報提出」なら、メンバーに週の実績提出依頼→メンバーから実績提出→実績入力→メンバーへチェック依頼→メンバーからチェック結果返答→部長へ提出、という具合だ。正しい手順がわからないなら、仮でもかまわない。

ステップ3は「誰がやるべきかを明確にする」。ボールを持っているのは誰だろう。たくさんのタスクを抱えていると思っていたけれど、実はほとんど他の人のボールかもしれない。

ステップ4は「タスクと手順に、仮の締切を入れる」。タスク全体と手順1つ1つに締切を入れよう。仮の締切を設け、進行状況に合わせてその都度書き換える。これが「締切を守れる自分」への近道だ。

ステップ5は「最初の手順だけに注目する」。最初にやるべき手順だけが目に入るように、メモや付せんに書き出したりパソコンに表示させたりしよう。やるべきことが明確になり、プレッシャーが減るはずだ。

段取りが苦手

やることが多すぎて段取りどころじゃない

仕事が多すぎるなら、勇気を出して断ろう――よく言われることだが、「その勇気があったら苦労しないよ……」というのが本音だろう。パンパンのカバンは、これ以上入らないとひと目でわかる。一方、仕事の量はあいまいだから断りにくい。

ところが著者のF太氏は、手順書をきちんとつくることで、無理な仕事を断れるようになった。今自分が抱えている仕事の量が見える化されるため、「さすがにこれ以上無理です」と言えるようになったのだ。

急な仕事が入るとパニック

急な仕事に慌てないようにするためには、余裕を持った予定を立てることが大切だ。著者の小鳥遊氏は、仕事にかかる時間を想定の2倍くらいの長さで見積もり、スケジュールをスカスカにしている。

ある日は「ブログのネタ出し会議」のあとに

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要約公開日 2022.02.18
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