元上司がNotionの創業者の1人であったことから、著者は日本では比較的早い時期からNotionを使い始めていた。最初はシンプル過ぎて面を食らったが、使い込んでいくとその快適さを実感した。
かつて使っていたEvernoteは、「紙のメモをデジタル化したもの」という印象で、保存するデータが増えるにつれて整理しきれなくなっていった。一方、Notionは整理整頓に適したツールだ。データベースという形式で、Webページのクリップも、紙の名刺も、すべてをNotionに集約し、分類したり並べ替えたり、絞り込んだりが容易にできる。複数のツールを行き来せずに必要な情報にアクセスできる恩恵は大きい。本書は、そんなNotionの基本的な使いこなし術から、より本質的な「情報整理術」としての活用までを紹介していく。
Notionは「オールインワン・ワークスペース」を目指し、情報の集約・管理を得意としたコラボレーションソフトウェアである。アメリカ発のソフトだが、数年前から日本国内でも利用者が増え始め、2021年10月には日本語版がリリースされた。Webブラウザ、デスクトップアプリ、モバイルアプリから、基本的な機能は無料で利用できる。使い方の自由度が高く、個人が日記や情報収集ツールとして活用することも、企業が社内の情報共有ツールとして活用することもできる。
Notionの最大の特徴は、さまざまな形式の情報を一ヶ所に集約できることだ。Notionでは各情報は「ブロック」という単位で扱われる。テキスト、画像、YouTube動画の埋め込みなど、さまざまなブロックを自由に並べて、ページを作り上げることができる。
Notionは、一見すると「メモアプリ」であるが、その機能や性質から考えると、情報管理ツールであるといえる。それぞれの利用者が目的に応じて必要なデータを収集し、各自の最適な形式でレイアウトすることができるツールなのだ。
Notionに限らず、さまざまなツールを活用して情報収集に取り組んでいる方は多いはずだ。しかし、情報を集めることに終始し、せっかく集めた情報を活用できていない人も少なからずいるだろう。
3,400冊以上の要約が楽しめる