世界を変えた31人の人生の講義

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おすすめポイント

まず、大変に読み応えのある本だった。

インタビュイー31名のうち、要約者自身が名前を知っていたのは、不勉強にも18名だったが、知っている人も知らない人も興味深く読むことができた。多種多様なリーダーについて、一度に知ることで、リーダーの共通点や相違点についてより深い理解に至った。

序章には著者(インタビュアー)自身のキャリアやリーダー論について書かれている。それを踏まえてじっくりと読むことで、なぜ著者がそういった質問を投げかけたのか、意図がわかった。面白くてどんどんと読み進められてしまうが、個人的には時々序章に戻ることをおすすめする。

また、本書の元になったTV番組の多くは、Bloombergのウェブサイトから観ることができた。あまりに多くの動画があり、どれから観ればよいのか混乱するほどであった。そういった意味でも、これまで登場したリーダーの中から、選りすぐりの31人について、カテゴライズされた状態で知ることができる本書は、非常にわかりやすく脳内に入ってくることだろう。31名中9名が女性リーダーというのも、著者や編集者のメッセージ性を感じた。

リーダーシップをとる必要がある立場にいる人はもちろん、そうでない人にとっても、人生を生き抜くために必要なヒントが得られる一冊だ。

ライター画像
河合美緒

著者

ディヴィッドM. ルーベンシュタイン
(RUBENSTEIN. M DAVID)
世界屈指の民間投資会社のひとつ、カーライル・グループの共同創設者兼共同会長。
非営利活動分野では多岐に渡り活躍している。ジョン・F・ケネディ舞台芸術センターおよび外交問題評議会では理事会議長を、ハーバード・コーポレーションではフェローを、スミソニアン協会では評議員を、ナショナル・ギャラリー・オブ・アート、シカゴ大学、スローン・ケタリング記念がんセンター、ジョンズ・ホプキンズ・メディスン、プリンストン高等研究所、国立憲法センター、ブルッキングス研究所、および世界経済フォーラムでは理事を、リンカーンセンターおよびアメリカ芸術科学アカデミーでは理事長を、そしてワシントンD.C.経済クラブでは会長を務めている。さらには、デューク大学とスミソニアン協会では理事会の議長を、ブルッキングス研究所では理事会の共同議長を務めている。また、ギビング・プレッジの当初からの署名者であり、慈善活動分野ではカーネギーメダルを受賞している。ブルームバーグTVとPBSが放映する『ザ・デイヴィッド・ルーベンシュタイン・ショー――ピア・トゥ・ピア カンバセーション』のホスト役であり、『American Story: Conversation with Master Historians』(サイモン&シュスター)の著書がある。
ボルチモア出身。1970年にデューク大学をスンマ・クム・ラウデという優秀な成績で卒業し、全米で最優秀の学生から成る組織、ファイ・ベータ・カッパに選出されている。デューク卒業後はシカゴ大学ロースクールへ進み、1973年に卒業した。1987年にカーライルを共同設立する前は、ニューヨークとワシントンで弁護士業を営み、カーター政権下では国内政策における大統領の副補佐官を務めている。

本書の要点

  • 要点
    1
    「80歳になったときにああすれば良かったと後悔するなら、なるべくその数は減らしていきたい」。米アマゾン創業者ジェフ・ベゾスの言葉である。
  • 要点
    2
    2期にわたって、アメリカ大統領首席補佐官を務めたジェイムズ・A・ベイカーは、「事前の準備を怠らなければ、結果は自ずとついてくる」という信念の下に、難局を乗り越えてきた。
  • 要点
    3
    連邦最高裁判所判事を務めたルース・ベイダー・ギンズバーグは言う。「私たちが手にしている権利は、守らなければ損なわれる。そういう気持ちのない人たちの存在こそ、民主主義の最大の脅威である」と。

要約

HOW TO LEAD

本書について

本書は、ビジネスマンとして成功をおさめた著者、カーライル・グループの共同創設者兼共同会長であるデイヴィッド・ルーベンシュタインが、各界のリーダーたちにインタビューを行うTV番組の内容を書き起こしたものである。原書タイトルは『HOW TO LEAD』だ。

この番組には、アメリカの政界や経済界、あるいは国際機関、そしてスポーツ選手や音楽家まで、様々な分野のリーダーが登場する。著者はインタビュアーとして「リーダーシップとはなにか」といった質問を投げかけ、ゲストは自身のエピソードを踏まえてそれに答えるスタイルの番組だ。

本書ではTV番組のゲストの中から、選りすぐりの31人のインタビューが取り上げられている。各人の来歴や価値観、職業倫理など幅広いテーマに及び、回答は31人31様だ。31人のインタビュイーは、以下の6つのカテゴリーに分類されている。「1. ビジョンを持つ」「2. 構築する」「3. 変革する」「4. 統括する」「5. 決定する」「6.道を究める」だ。要約では各章から1人ずつ紹介する。

インタビュアーのリーダー論
svetikd/gettyimages

長い間、多くのリーダーにインタビューを行ってきた著者には独自のリーダー論がある。

まず人生を3つの時期に分けて考える。最初の3分の1は「将来に向けた教育・訓練期間」であり、次の3分の1が「自らのキャリアを築くことを念頭にスキルを磨き、責任のある何らかの立場につく」時期だ。そして最後の3分の1がこれまでの功績に対して、「経済的または精神的な見返りなどの社会的な恩恵を享受する」時期としている。

人生の第1段階でリーダーシップを取るよりも、第2段階、第3段階のリーダーシップを取るほうが、その人自身にとっても、社会にとっても重要であると断言している。

著者自身も第2段階、第3段階でリーダーになることができたと振り返っている。その要因は、番組でインタビューした人たちが答えるのと同様のものばかりだという。すなわち、「運をつかむ」「成功を強く願う」「新しい、独自なものを追求する」「長い時間、懸命に働く」「集中する」「失敗を前向きにとらえる」「粘り強く取り組む」「説得力をもって話をする」「控えめに振る舞う」「仕事の成果を分かち合う」「学び続ける姿勢をもつ」「誠実であれ」「危機に立ち向かう」の13項目である。

著者のこういった整理を踏まえて各インタビューを読むことで、個々のインタビューの共通点、あるいは相違点により気付きやすくなり、リーダーそれぞれの考えを深く知ることができよう。

【必読ポイント!】 リーダーインタビュー

1. ビジョンを持つ ジェフ・ベゾス

ジェフ・ベゾスは、1994年にアマゾンを創業した人物である。世界長者番付で第一位になったこともある。

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要約公開日 2022.08.07
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