コンサルタントの教科書

決定版 年間報酬3000万円越えが10年続く
未読
コンサルタントの教科書
コンサルタントの教科書
決定版 年間報酬3000万円越えが10年続く
未読
コンサルタントの教科書
出版社
かんき出版
出版日
2014年07月14日
評点
総合
3.0
明瞭性
3.0
革新性
3.0
応用性
3.0
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おすすめポイント

本書のタイトル『コンサルタントの教科書』と聞くと、いわゆる戦略コンサルタントが持つべきマインドやスキルを整理した書なのではないかと予想する読者も多いのではないだろうか。しかしあらかじめことわっておくと、本書は著名なコンサルティングファームに所属する戦略コンサルタントが、組織内で生き残っていくためのアドバイスがもらえるような書籍ではない。あくまで「独立した」コンサルタントが事業を成り立たせていくためのポイント、そして中小企業の社長をクライアントにする際に留意すべきポイントに主にフォーカスした書籍である。

著名なコンサルティングファームに所属していると、1人月で数百万円という相場観が存在し、価格付けに悩むことは少ないかもしれない。しかし個人として独立するとそのブランドに頼ることができなくなるため、営業先を自分で探す努力を続けなければならないし、価格も自分で定めていかなければならない。そのような状況で単純な値引きに走るのではなく、価格を高く保つ秘訣について、多くのページを割いて解説がなされている。

本書のメインターゲットは既に独立した、あるいはこれから独立しようというコンサルタントであるが、中小企業の社長を顧客とするサービスを提供するビジネスパーソンや、個人事業主として専門知識を活かしたサービスを提供する方なども、参考になるところが多いだろう。本書のアドバイスを参考に、自分流にアレンジした上で、力強く自信を持って自身のビジネスを展開していただければと願う。

ライター画像
大賀康史

著者

和仁 達也(わに たつや)
1972年生まれ。経営者のビジョンと金銭面の成功を支援するビジョナリーパートナー。(株)ワニマネジメントコンサルティング代表取締役。
月給25万円のサラリーマンから独立し、経営コンサルタントに。月1回訪問・月額15万円からスタートし、今では月額30万円以上の顧問先を複数抱え、年間報酬3000万円を軽く超える人気コンサルタントに。顧問契約が長く続く、「パートナー型コンサルティング」の手法で、継続実績は平均5~7年。なかには15年以上支援しているクライアントも存在する。この「高額報酬で長期契約が続くパートナー型コンサルティング」を学びたいコンサルタントや士業者が殺到し、養成塾や合宿は、常時満員御礼。教材も爆発的に売れている。

本書の要点

  • 要点
    1
    コンサルタントには、①プロジェクト型、②アドバイス型、③ワークショップ型、④パートナー型、という4つのタイプが存在し、まずは自分が何を目指すのかを明確にすべきである。
  • 要点
    2
    見込み客の獲得を継続的に行うためには、期間や提供方法を工夫することにより、サービスを複数メニューに分けておくことが有効である。
  • 要点
    3
    自らのサービスの価格は自分自身で定めていくものであり、高い顧問料を目指すのであれば、まずもって自分の「あり方」をはっきりさせておくことが肝要である。

要約

コンサルタントで年間報酬3000万円稼ぐための「正しい努力」とは

コンサルタントの4つのモデル
Eszter Szepessy/iStock/Thinkstock

コンサルタントにも様々なタイプが存在しているため、まずはこれを4つに分類してみよう。契約期間が1年を超えるかどうかという軸と、内容が問題点にフォーカスしているのか、ビジョンを共有する形式なのかという軸を使い4象限に分ける。

①プロジェクト型

契約が1年未満で問題点にフォーカスしている形態。人事評価制度の策定や事業再生などを担い、集中的な業務を行うため、一般的に報酬単価は高額となる。

②アドバイス型

契約が1年以上の長期にわたり、問題点にフォーカスしている形態。ニュースレターやCD教材、動画配信などを月額5000円程度で届ける定期購読サービスや、月額数万円で法律や税務などのアドバイスを提供することが該当する。

③ワークショップ型

契約は数日の短期なもので、ビジョンにフォーカスする形態。目標達成セミナーや、ライフプランセミナー等のタイトルで、夢やビジョンを描くために、1日~数日のセミナーを行うものが該当する。

④パートナー型

契約が1年以上の長期にわたり、ビジョンにフォーカスする形態。パートナー型はクライアントのビジョンを明らかにした上で、社長と社員の向かう方向を一致させていく。月額15万円~30万円程度で、5~7年が平均的な期間である。

この「パートナー型」に属しているプレーヤーは少ないため、ホワイトスペースになっていると言えるだろう。本書の著者はこの「パートナー型」のコンサルティングに主として従事している。

顧客に応じて提供する複数のメニュー

事業再生のコンサルタントでは、再生に一定の目途が付くと、「もう先生にはお世話にならないように頑張ります」という話になりがちだ。それゆえ、息を吹き返したクライアントがビジョンを実現していくサポートを行いたい、というコンサルタントは、パートナー型を志向するべきであろう。

そのような状況においては、顧客に応じてプロジェクト型とパートナー型を並行で提供するという方法もある。同様に複数のメニューを準備することは有用なことが多く、著者のケースだと、月額30万円~40万円のパートナー型を限定5社で行い、並行して月額3万円以下の「電話顧問サービス」を限定20社で提供している。それ以外にもワークショップ型のサービスや、講義など複数のメニューを用意しているのだという。多くの顧客を対象としたメニューからはパートナー型の見込み客を獲得することもできるため、相互関係を持たせておくことが重要である。

【必読ポイント!】営業で見込み客を前のめりにさせる「お困りごと」の引き出し方

お困りごと① 会社のお金の流れが漠然としていることによるストレス
vinnstock/iStock/Thinkstock

営業時に初対面の相手を前のめりにさせるためには、対象となる相手のお困りごとトップ3を明確に認識しておくことが重要である。ここでは、著者が対象としている社員数30人以下の成長意欲の高い社長のお困りごとトップ3について紹介しよう。

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要約公開日 2014.11.04
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