コンサルタントにも様々なタイプが存在しているため、まずはこれを4つに分類してみよう。契約期間が1年を超えるかどうかという軸と、内容が問題点にフォーカスしているのか、ビジョンを共有する形式なのかという軸を使い4象限に分ける。
①プロジェクト型
契約が1年未満で問題点にフォーカスしている形態。人事評価制度の策定や事業再生などを担い、集中的な業務を行うため、一般的に報酬単価は高額となる。
②アドバイス型
契約が1年以上の長期にわたり、問題点にフォーカスしている形態。ニュースレターやCD教材、動画配信などを月額5000円程度で届ける定期購読サービスや、月額数万円で法律や税務などのアドバイスを提供することが該当する。
③ワークショップ型
契約は数日の短期なもので、ビジョンにフォーカスする形態。目標達成セミナーや、ライフプランセミナー等のタイトルで、夢やビジョンを描くために、1日~数日のセミナーを行うものが該当する。
④パートナー型
契約が1年以上の長期にわたり、ビジョンにフォーカスする形態。パートナー型はクライアントのビジョンを明らかにした上で、社長と社員の向かう方向を一致させていく。月額15万円~30万円程度で、5~7年が平均的な期間である。
この「パートナー型」に属しているプレーヤーは少ないため、ホワイトスペースになっていると言えるだろう。本書の著者はこの「パートナー型」のコンサルティングに主として従事している。
事業再生のコンサルタントでは、再生に一定の目途が付くと、「もう先生にはお世話にならないように頑張ります」という話になりがちだ。それゆえ、息を吹き返したクライアントがビジョンを実現していくサポートを行いたい、というコンサルタントは、パートナー型を志向するべきであろう。
そのような状況においては、顧客に応じてプロジェクト型とパートナー型を並行で提供するという方法もある。同様に複数のメニューを準備することは有用なことが多く、著者のケースだと、月額30万円~40万円のパートナー型を限定5社で行い、並行して月額3万円以下の「電話顧問サービス」を限定20社で提供している。それ以外にもワークショップ型のサービスや、講義など複数のメニューを用意しているのだという。多くの顧客を対象としたメニューからはパートナー型の見込み客を獲得することもできるため、相互関係を持たせておくことが重要である。
営業時に初対面の相手を前のめりにさせるためには、対象となる相手のお困りごとトップ3を明確に認識しておくことが重要である。ここでは、著者が対象としている社員数30人以下の成長意欲の高い社長のお困りごとトップ3について紹介しよう。
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