「心の掃除」の上手い人 下手な人

未読
「心の掃除」の上手い人 下手な人
「心の掃除」の上手い人 下手な人
未読
「心の掃除」の上手い人 下手な人
出版社
出版日
2008年02月25日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

SNSでは、誰も彼もが幸せそうに見えるものだ。だから現実はどうあれ、自分も幸せに見えるようにいい出来事だけを投稿するものの、なんだか疲れてしまう――。現代を生きる多くの人が、このような経験をしているのではないだろうか。

本書のテーマは「心の掃除」。著者によれば「部屋の掃除と心の掃除は、心理的には同じ」だ。散らかっている部屋を見られたくないのと同様に、自分の心の汚れぐあいを人に見られたくないという心理が働くと、つい卑屈になってしまう。その姿勢が相手に伝わることを恐れ、不安とストレスが増大し、モヤモヤの悪循環に入っていくのだ。なんだか“SNS疲れ”と似ていないだろうか。

本書では、「心の掃除」をする方法、つまり心のモヤモヤを取り払って軽やかに生きる方法が提案されている。過去の失敗にとらわれたり、自分の欠点にばかり注目してしまったり、前向きな気持ちになれずに落ち込んでしまったりすることは、人間であれば誰しもあるものだ。そんなとき、どのように心を整理すればいいか、本書を読めば確かなヒントを得られるだろう。

同じ出来事を経験しても、受け止め方は人それぞれだ。受け止め方が変われば、その先の未来も変わる。本書を手がかりに「心の掃除」をすることで、気持ちがすっきりし、出来事の受け止め方が自然とポジティブになるだろう。その結果、人生がより明るく、楽しいものになるに違いない。

ライター画像
大賀祐樹

著者

斎藤茂太(さいとう しげた)
1916年東京生まれ。精神科医、エッセイスト。歌人・斎藤茂吉の長男。明るく前向きな発想で読者を魅了し“モタさん”と親しまれる。著書に『「心の掃除」の上手い人 下手な人』『「捨てる力」がストレスに勝つ』『人生がラクになる心の「立ち直り」術』などがある。2006年逝去。

本書の要点

  • 要点
    1
    こまめに「心の掃除」をすると、イライラ・ベソベソ・グズグズと無縁の人生を送れるようになる。
  • 要点
    2
    どんな失敗もムダにはならない。失敗を咀嚼して消化し、栄養にすることが大切だ。
  • 要点
    3
    芯の通った人は自分なりの美学を持っている。美学を持つためには、憧れの人をまねたり、美しいものやカッコいいものに触れたりするとよい。自分なりの美学を探す「旅」は、自分をつくっていく旅でもあり、自分の生きがいを探す旅となる。

要約

「心の掃除」と「部屋の掃除」

「心の掃除」をしてストレスなく生きる

部屋の掃除と同じように、「心の掃除」もこまめにやっておくといい。そうすれば、イライラ・ベソベソ・グズグズすることなく、すっきりした気持ちで過ごせるはずだ。

ある日突然、親しい知人が家を訪ねてきたとする。あなたは「うれしい」と言いながらも、散らかっている部屋を見せたくなくて戸惑うだろう。自分の心の中まで見られるような気がするからだ。

部屋の掃除も心の掃除も、心理的には同じである。「今日はあの人と会いたくないなあ」と思うときは、自分の心の中が掃除されておらず、がらくたでいっぱいになっているのだ。散らかった部屋を見られたくないように、自分の「心の汚れぐあい」も見られたくないと感じてしまうのだろう。そのような引け目を抱えながら人と会うと、卑屈な気持ちになり、その気持ちが不安とストレスを増大させて、悪循環に入ってゆく。

本書では、そんな悪循環から抜け出して前向きに生きるためのヒントを紹介している。

「明るい自分」になる

自分からあいさつする
pixelfit/gettyimages

あいさつは相手のためだけにするのではない。自分のためにもなる。

朝、元気な声であいさつされると気持ちがいいものだ。どうせなら先手を取って、自分からあいさつしよう。このキャッチボールは、お互いの気持ちを一瞬で晴れやかなものにする。相手を気分よくさせるあいさつは、自分の心にもいいのだ。

芸能界の撮影現場や大工の建設現場でも、新人に対してはまず、大きな声であいさつしようと指導するという。「あいさつしないなんて、ナマイキだ」と思われないようにするためではない。全員でやりとりすることで現場がいい空気になるし、心理的余裕が生まれて事故防止になるからだ。

明るい人と親しくなる

明るい人とは、上機嫌でいる人ではなく、周りの人を照らす力がある人のことだ。大人しい人でも、周囲を明るくできれば、明るい人だと言える。

明るい人になりたいのなら、明るい人と親しくなるといいだろう。すると、その人からいい刺激をもらったり、相手の行動パターンをマネしたりするようになり、おのずと性格が変わっていくはずだ。

行動マニュアルをつくる

人は環境によって大きく変わる動物だ。明るくなりたいなら、明るくできる環境に身を置くのが近道である。

もっと見る
この続きを見るには...
残り2836/3782文字

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2022.11.25
Copyright © 2024 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
心のふたを開ける
心のふたを開ける
青木仁志
未読
精神科医Tomyの気にしない力
精神科医Tomyの気にしない力
精神科医Tomy
未読
働く君に贈る25の言葉
働く君に贈る25の言葉
佐々木常夫
未読
覚悟の磨き方
覚悟の磨き方
池田貴将(編訳)
未読
いちいち気にしない心が手に入る本
いちいち気にしない心が手に入る本
内藤誼人
未読
結局、腸が9割
結局、腸が9割
川本徹
未読
2度目の会話が続きません
2度目の会話が続きません
野口敏
未読
1日1篇「人生を成功に導く」365人の言葉
1日1篇「人生を成功に導く」365人の言葉
『PHP』編集部(編)
未読