部屋の掃除と同じように、「心の掃除」もこまめにやっておくといい。そうすれば、イライラ・ベソベソ・グズグズすることなく、すっきりした気持ちで過ごせるはずだ。
ある日突然、親しい知人が家を訪ねてきたとする。あなたは「うれしい」と言いながらも、散らかっている部屋を見せたくなくて戸惑うだろう。自分の心の中まで見られるような気がするからだ。
部屋の掃除も心の掃除も、心理的には同じである。「今日はあの人と会いたくないなあ」と思うときは、自分の心の中が掃除されておらず、がらくたでいっぱいになっているのだ。散らかった部屋を見られたくないように、自分の「心の汚れぐあい」も見られたくないと感じてしまうのだろう。そのような引け目を抱えながら人と会うと、卑屈な気持ちになり、その気持ちが不安とストレスを増大させて、悪循環に入ってゆく。
本書では、そんな悪循環から抜け出して前向きに生きるためのヒントを紹介している。
あいさつは相手のためだけにするのではない。自分のためにもなる。
朝、元気な声であいさつされると気持ちがいいものだ。どうせなら先手を取って、自分からあいさつしよう。このキャッチボールは、お互いの気持ちを一瞬で晴れやかなものにする。相手を気分よくさせるあいさつは、自分の心にもいいのだ。
芸能界の撮影現場や大工の建設現場でも、新人に対してはまず、大きな声であいさつしようと指導するという。「あいさつしないなんて、ナマイキだ」と思われないようにするためではない。全員でやりとりすることで現場がいい空気になるし、心理的余裕が生まれて事故防止になるからだ。
明るい人とは、上機嫌でいる人ではなく、周りの人を照らす力がある人のことだ。大人しい人でも、周囲を明るくできれば、明るい人だと言える。
明るい人になりたいのなら、明るい人と親しくなるといいだろう。すると、その人からいい刺激をもらったり、相手の行動パターンをマネしたりするようになり、おのずと性格が変わっていくはずだ。
人は環境によって大きく変わる動物だ。明るくなりたいなら、明るくできる環境に身を置くのが近道である。
3,400冊以上の要約が楽しめる