初対面の会話はなんとかなっても、2度目の会話が続かない――。その理由は、情報だけで会話をしてしまい、相手の内面について話せていないからだ。
情報だけの会話とは、5W1Hの質問を繰り返す会話のこと。具体的には「趣味で山登りをはじめたんです」と言う相手に対して「どこの山に登りましたか?」「月に何回くらい行きますか?」「次はどこの山に登りたいですか?」などと質問したり、「私も学生の頃に八ヶ岳に登ったことがありますよ!」などと自分の経験を話したりするパターンだ。これではすぐにネタが尽きてしまう。
この状態から抜け出すには、相手の生活や気持ちに焦点をあてるとよい。「山登りをはじめた」と言われたのなら、そのときの相手の状況を考えてみよう。「初めは足が痛かっただろう」「山に登るために事前にトレーニングをしたのだろうか?」と、まったく違う視点が出てくるはずだ。
「トレーニングされたんですか?」と聞いてみると、「練習では家から会社まで2時間かけて歩きましたよ」などと答えてもらえて、自然と相手の話が展開していくはずだ。「感激したこと」や「後悔したこと」などを聞いてみるのもいいだろう。
2度目の会話では、お互いの共通点が分からず、やみくもに質問しがちだ。でも「部活は何をされていたんですか?」と聞いて、「帰宅部」と言われたら、そこで会話が終わってしまいかねない。
そうした問題を解決するには、自分から話すとよい。少しだけ自分語りをして、相手が話しやすい雰囲気をつくるのだ。「最近ついてなくて、私にあったいいことと言ったら、会社のエレベーターで20階からノンストップで1階まで降りられたことくらいですよ。〇〇さんは、最近いいことありましたか?」といった具合である。急に「最近いいことありましたか?」と聞かれるより、ぐっと話しやすくなる。
「自分のことをちょっと話す」と言われても、何を話せばいいのかと迷ってしまうかもしれない。ならば「自分はどんな人なのか」を伝える、親しみをもてたり共感できたりする内容を選ぼう。あなたが普段どんなことをして、どんなことを話し、どんなことを感じながら暮らしているのかを伝えるのだ。
「ランチはコンビニ弁当が多いのですが、人気のビーフハンバーグ弁当が残っていた日は天国です」「グループLINEにみんなが書き込みをして、自分も続きたいのですが、いつもそのスピードに乗れないのです」……このような、ごくありふれた日常のエピソードでかまわない。ありのままのあなたが伝われば、会話は自然と盛り上がるはずだ。
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