ビジネスとは予測のゲームである。現状を把握し、将来に何が起こるかを見極め、戦略を立てて実行する。すべてがうまくいき、ゲームに勝ったときは最高の気分だ。こうした成果を上げるためには、強くなくてはならない。
しかし、強さだけでは幸せになれない。強さの根底には優しさが必要だ。
優しさを貫くのは簡単ではない。口先だけの優しさにならぬよう、相手と真剣に向き合う必要がある。そうしている間、強い人から攻撃を受けることもあるかもしれない。それでも優しい心を失わないことが、幸せになる唯一の方法なのだ。
君の前には真っさらな人生が広がっている。どのように働き、どのように生きるのか、君自身が選び取っていくのだ。悩んだり、迷ったり、落ち込んだりしながら、少しずつ自分の働き方や生き方を確立してほしい。
リッチになりたい、できる奴だと言われたい、大きな仕事がしたい、出世したい――。「欲」という言葉にネガティブなイメージをもっているかもしれないが、欲は生きていく原動力になるものだ。
ただ、特に若いころの欲は自分本位になりがちである。自分が出世するため、自分が多くの給料をもらうため、自分が手柄を立てるため……と考えてばかりいては、必ず壁にぶつかることになる。
大切なのは、「欲」を「志」へと磨き上げることだ。「志」は多くの人と共有され、協力を引き寄せる。そうあってこそ、困難な仕事や大きな仕事を成せるのだ。
はじめから志をもてる人などほとんどいない。誰しも、壁にぶつかって痛い目に遭い、自問自答しながら自分本位な欲を乗り越えていく。君を磨く原動力として、まずは欲をもってほしい。
年齢を重ねるとともに、時間が流れるスピードはどんどん速くなる。20代ではじっくり時が流れているが、30代になると時間の流れが少し速くなり、40〜50代はあっという間に過ぎ去っていく。
時間のゆっくり流れる20代は、人生や仕事についてもっとも多くのことを学ぶ時期だ。やる仕事、出会う人、読む本、そして一つひとつの失敗と成功が君の糧となるだろう。
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