脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい

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脂肪を落としたければ、食べる時間を変えなさい
出版社
出版日
2022年10月19日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

近年話題になっている「プチ断食」。アンチエイジング効果やダイエット効果が期待できるとされている、一日の中で食べる時間を制限する食事法だ。たとえば「14時間断食」であれば、夕食を午後6時にとったらその後14時間断食し、翌日の最初の食事は午前8時以降となる。

ダイエット目的でプチ断食を試したけれど、思うようにやせなかった。美容や健康のために、よりよい食べ方がしたい。そんな人が本書を読めば、新しい発見があるに違いない。

著者は「時間栄養学」の権威、柴田重信氏だ。著者によると、時間栄養学とは「体内時計のしくみを明らかにしながら、どうしたら体内時計をリズムよく動かせるか、そして、そのリズムに合わせた食べ方とは何か、といったことを研究していく学問」である。柴田氏は本書で、時間栄養学の観点から、プチ断食の効果を高めたり、生活習慣病を予防したりするためのポイントを教えてくれる。

「はじめに」で強調されているポイントは3つ。「朝、光を浴びること」「朝食をしっかり食べること」「夕食から翌日の朝食まで、12時間以上の絶食時間をつくること」だ。この3つを守ることで、体内時計と生活リズムのずれを解消し、脂肪をため込みやすい習慣を改められるという。

プチ断食の効果を高めたい人はもちろん、より健康的に、いきいきと活動したい人に、ぜひ本書を手に取ってほしい。朝食・昼食・夕食の食べ方をはじめ、具体的なアドバイスがなされている。体調や生活スタイルに合わせて、できることから試してみてはどうだろう。

著者

柴田重信(しばた しげのぶ)
早稲田大学理工学術院先進理工学部電気・情報生命工学科教授。1953年生まれ。1976年九州大学薬学部薬学科卒業。1981年同大大学院薬学研究科博士課程修了。薬学博士。早稲田大学人間科学部教授などを経て、2003年より現職。日本時間栄養学会会長などを務める。監修書に『食べる時間を変えるだけ! 知って得する時間栄養学』(宝島社TJMOOK)、共著書に『Q&Aですらすらわかる体内時計健康法―時間栄養学・時間運動学・時間睡眠学から解く健康―』(杏林書院)、著書に『食べる時間でこんなに変わる時間栄養学入門 体内時計が左右する肥満、老化、生活習慣病』(講談社ブルーバックス)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    体内時計には約24時間周期のリズムがあり、時間によって体の働きや反応が異なる。より健康的に生きるためには、体内時計の働きを考慮して生活するとよい。
  • 要点
    2
    プチ断食でダイエット効果を狙うなら、「一日の食べる時間帯を12時間以内に抑える」「夕食の糖質を抑える」「食事は朝食からスタートし、朝食:昼食:夕食の割合を1:1:1にする」の3つを心がけよう。
  • 要点
    3
    時間栄養学的にいうと、朝食のポイントは「午前9時ごろまでに、体内時計を動かす食べ物をとること」だ。

要約

【必読ポイント!】 らくしてやせる「プチ断食」のポイント

プチ断食が失敗する理由

ここ数年、プチ断食が話題になっている。プチ断食の基本的なルールは、一日の中で「食べる時間帯」を制限するというものだ。16時間断食の場合、一日の最後にとった食事から16時間断食するので、夕食を午後7時にすると、翌日の最初の食事は午前11時となる。

プチ断食が広まる理由のひとつは、絶食時間を守りさえすれば、自分のライフスタイルに合わせて食べる時間帯を決められる点にある。極端な例では、午後6時から深夜2時までを「食べる時間帯」に設定することも可能だ。

ところがこのパターンは、体内時計のリズムに合っていない。体内時計には約24時間周期のリズムがあって、時間によって体の働きや反応が異なる。具体的には、朝は食事でとった栄養をエネルギーに変えるが、夜には使いきれなかったエネルギーを脂肪としてため込もうとする。そんな体内時計のリズムを無視して、体がエネルギーを使おうとするときに食べなかったり、逆に体が脂肪をため込もうとするときに食べたりすれば、ダイエット効果が得られないのは当然だ。せっかくプチ断食をするならば、体内時計のリズムに合わせたほうがいい。

朝食をとって体内時計をリセットする
kuppa_rock/gettyimages

体内時計に合わせてプチ断食をする場合は、まず体内時計のリズムを外界(地球の一日)と合わせることから始めよう。

体内時計は約24.5時間周期で、毎日必ず外界と30分のずれが生じる。このずれを修正するために、体内時計は一日1回、ねじを巻き、時計をリセットする必要がある。体内時計をリセットするには、朝の光を浴びて、朝食をとるのが効果的だ。

一般的なプチ断食では、ライフスタイルに合わせて好きな時間から食べ始めていいことになっている。だが、昼過ぎから食べ始めると、体内時計はリセットされず、外界とずれたままだ。体内時計を考慮すると、朝食は起きてから1~2時間以内に、なおかつ午前9時ごろまでにとるといいだろう。

朝を中心とした時間帯に食べる

プチ断食では、朝食の時間が決まれば、一日の最後の食事を何時までに食べ終わるかが決まる。14時間断食ならば、午前8時に朝食をとった場合、最後の食事は午後6時までに終えることとなる。

朝から日中にかけての体内時計は、食べたものを消化、分解し、エネルギーに変えようとする代謝の力が高い。この時間に食べたものは効率的にエネルギーとして燃やされる仕組みだ。

一方、朝食をとらないで、昼過ぎから夜にかけて食べた場合、体内時計はエネルギーをため込もうとするので、食べたものが脂肪としてたくわえられやすい。「朝を中心とした時間帯に食べる」のと「夜を中心とした時間帯に食べる」のではどんな違いがあるのか、16時間断食の効果についての研究結果をみてみよう。

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要約公開日 2023.02.07
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