私たちが勉強する理由、それは「生きていくときに必要な知恵を身につけるため」である。人生では、選択を迫られるシーンが何度となくある。そのような場面で「少し自信を持って決められるようになる」というのが、本来の勉強の目的であり、成果ではないだろうか。
これまでは、「何かに役に立つ知識や情報を覚えるため」というのが勉強の目的と考えられていた。しかし最近はインターネットやモバイル機器の普及により、知識や情報を覚えることの比重はどんどん下がっている。今は誰もがネット検索で簡単に情報を得られるようになったため、何かを詳しく知っていることの優位性は著しく低下している。
しかし、このような時代になっても勉強の本質自体は変わらない。知識や情報のウエイトが低くなっただけで、目的はあまり変わっていないのだ。一方で玉石混淆の情報が氾濫しているため、選択の際の判断力や深く考えることの重要性が高まっている。つまり、「選ぶ」「決める」ことが主役の時代がやってきたのだ。
これからは、自分の頭で考え、自分自身で判断する力をつけるための勉強が求められる。そして、その有効な手段の一つが「独学」なのである。
高校までの勉強は、必ずどこかに正解があった。受験勉強もまた正解か不正解だけの世界である。しかし、このような勉強は学びの本質とはかけ離れている。だから大学に入ると、何を学べばいいのかわからなくなったり、学ぶことの楽しさや意義を感じられなくなったりしてしまう。
実際は、深く勉強していくほど正解がないことは多々ある。学者が研究している問題の多くもはっきりした答えはない。未知の世界を切り拓き、新しい「答え」を発見することが彼らの仕事だからだ。しかしその「答え」もまた正解とは限らない。
また、学問に限らず世の中のほとんどのことが、何が正解かよくわかっていない。だから仕事でも生活でも、正解のない問題にぶつかったときに、自分なりの答えを出すために考えていくことが重要なのである。
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