日本は人口減少社会にある。人口減少は、結婚や妊娠・出産に対する人々の価値観の変化によりもたらされた社会構造上の問題であり、価値観の変化でもない限り、将来にわたって続く。
この状況下ではマーケットの縮小や人手不足が訪れるだけでなく、若い頃のようには消費しない高齢消費者の割合も増える。
今後日本は、実人数が減る以上に消費量が落ち込む「ダブルの縮小」に見舞われる。ただ、人口減少は止められなくとも、経済成長が止まらないようにすることは可能だ。過去の成功体験から発想を変え、「戦略的に縮む」成長モデルを実現しなければいけない。
これに必要なのは、2つの柱だ。1つは各企業・行政機関が事業をスリム化し、得意分野に資本や人材などを集中投入することである。もう1つは、従業員個々のスキルアップを図り、労働生産性を向上させることである。
ビジネスモデルだけでなく、あらゆる社会システムを早く人口減少に耐え得るものに作り替えなければならないと、著者は警鐘を鳴らす。
天然資源に乏しい日本では、製造業はGDPの約2割を占める中心的な産業だ。製造の現場は、今後人口減少によって現場の人手不足が深刻になる。特に問題なのは年齢構成の変化である。
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