文章がすぐにうまく書ける技術

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出版社
日本実業出版社

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出版日
2023年02月01日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

スマホやパソコンなどを使ってコミュニケーションする機会が増えたことで、昔と比べると文章を書く機会が格段に増えた。だからこそ、書くことに苦手意識がある人は、仕事の場で毎日困った気持ちを抱えているのではないだろうか。文章がうまくなりたいと思ってはいても、プロのように書けるようになりたいわけではない。そんな人は何を参考に文章の書き方を学ぶべきなのか。

本書の著者である上阪徹氏は、これまでに100冊の本を執筆してきたブックライターだ。そう聞くと、最初から文章が得意な人だったのだろうと思ってしまうが、そうではない。広告の仕事に興味を持ち、採用広告のコピーライターの仕事に就いたが、当初は200文字を書くのに1日かかるほど、書くことに苦しんでいたという。しかし、今では1日に 2万字の原稿をすらすら書き上げられるほど、文章を書くのが速くなったのだという。もともと文章が書けなかったからこそ、書くことがつらく、苦手意識を持つ人の気持ちや、そういう人がどうすれば書けるようになるのかもわかる。その教えをまとめたのが本書である。

メールや報告書、企画書、レポートなど、文章が苦手な人がつまずきがちな題材を扱う。どの題材にも共通するのは、ちょっとしたマインドチェンジだ。書くまえの意識を変えることで、誰でも文章が書けるようになる。スポーツで天才的な活躍をした選手が、必ずしも優れたコーチになるとは限らない。苦しみ、もがいた経験から生まれた本書の教えは、同じようにもがいている人にとって宝物となるのではないだろうか。

ライター画像
大賀祐樹

著者

上阪徹(うえさか とおる)
ブックライター。1966年兵庫県生まれ。89年、早稲田大学商学部卒。ワールド、リクルート・グループなどを経て、94年よりフリーランスとして独立。雑誌や書籍、Webメディアなどで執筆やインタビューを手がける。著者に代わって本を書くブックライターとして、担当した書籍は100冊超。携わった書籍の累計売上は200万部を超える。著書に『マインドリセット』(三笠書房)、『10倍速く書ける 超スピード文章術』(ダイヤモンド社)、『JALの心づかい』(河出書房新社)、『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』(あさ出版)など多数。またインタビュー集に、累計40万部を突破した『プロ論。』シリーズ(徳間書店)などがある。ブックライターを育てる「上阪徹のブックライター塾」を主宰。

本書の要点

  • 要点
    1
    書くことに苦手意識を持つ元凶は、正しく、美しい文章を書かなければいけないと教える、小学校の作文教育にある。ビジネスの文章で必要とされるのは、「事実」「数字」「エピソード」の3つだけだ。
  • 要点
    2
    立派な文章を書こうとするのではなく、文章をコミュニケーションツールの1つとしてとらえるようにマインドを変えれば、LINEで用件だけをやりとりしたり、誰かとしゃべったりするときのように、伝えるべきことをスムーズに伝えられるようになる。
  • 要点
    3
    文章で伝えるべき「素材」は、メモなどで事前に準備する。「素材」さえ集まっていれば、構成をしっかりと組むことで、何万字もの長文でもひるむことなく書き上げられるようになる。

要約

「マインド」を変える

なぜ書くことに苦手意識を持ってしまうのか
Bulgakova Kristina/gettyimages

現代では、メールやメッセンジャーなどの連絡だけでなく、提案書や企画書、レポート、日報などが、仕事において当たり前のように求められ、書く機会が爆発的に増えている。書くことが仕事の評価にダイレクトにつながり、昇進の条件にもなる可能性もあるなかで、書くことに苦手意識を持ってしまっては大変だ。それでも、書くことが苦手、つらいと感じている人がたくさんいるのは、仕事の文章やビジネス文書の書き方を、誰も教わったことがないからだ。

小学校で教わった作文の書き方は、書けない元凶である。美しく、正しい文章を書かないといけない、ハッとするような言葉を見つけないといけないなど、小学校では文章に関する思い込みを植え付けられ、それが呪縛となるのだ。小学校の作文では、基本的に自分の「思い」を一方的に書き、美しく立派に表現したものが評価された。だが、ビジネスの文章で必要とされるのは、「事実」と「数字」、「エピソード(出来事やコメント・感動など)」の3つであり、立派で美しい文章表現は必要とされない。

また、作文では読者が想定されていないのに対して、ビジネスの文書には必ず読み手がいるという違いがある。自分が書きたいことではなく、読み手を意識して、相手のニーズに合わせて相手が求めているものを書くという発想転換ができれば、文章は一気に書きやすくなる。

文章において何よりも大事なのは、読み手が理解しやすいこと、すなわち、「わかりやすさ」である。わかりやすい文章を書くためには、起承転結の構成にこだわらず最初に結論から書くことや、美しい文章にしようとこだわらずに相手に伝わる文章にすることを心がけるといいだろう。

相手に伝わる文章の書き方

ビジネスで書く文章は、どんなに美しく書いたとしても、相手が理解できなければ意味がない。立派な文章を書こうとするのではなく、文章を単なるコミュニケーションの道具の1つとしてとらえて、肩の力を抜いて付き合っていったほうがいい。大切なのは、「どう書くか」ではなく、「何を書くか」である。

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要約公開日 2023.04.12
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