著者が野球ノートをつけ始めたのは、小学生の頃である。はじめはその日の練習メニューや気になったプレーを書き出していたが、中学、高校、大学と野球を続けていくうちに、「チームが勝つためにはどうしたらいいか」という視点が加わった。プロ入り後も、練習後や試合後に必ずノートを開いていた。
2012年、著者は北海道日本ハムファイターズの監督に就任した。就任1年目でパ・リーグ制覇を果たすものの、翌13年シーズンは最下位に陥落。力量不足を痛感した著者は、経営者たちの言葉を綴った本にヒントを求めた。
本を読み進めるうちに、成功を収めた人たちの共通点が見えてきた。それは、古典に当たっていることだ。『論語』『易経』『韓非子』などの古典には、時代を越えた普遍的な価値がある。それ以来、著者は古典を開き、気になった言葉をノートに書き写すようになった。先人の言葉は水や肥料となり、著者の心を潤していった。
『論語』に、「性は相近し、習えば相遠し」という教えがある。人の性質は生まれたときにはあまり差がないが、その後の習慣や教育によって次第に差が開く、という意味だ。
一日を振り返って反省し、それを積み重ねることで自分を成長させたい。そのような思いから、著者はノートを書き続けている。
2018年の春季キャンプへの飛行機が、故障で2時間遅れることになった。予定外の足止めを、どのようにとらえるべきか。著者は「我々が機内で快適に過ごせるように、一生懸命準備をしてくれているのだろう。この2時間は必要なものだ」と受け止めた。
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