個人の仕事でも会社の事業でも、天運よりも人の和が大切である。人の和があれば、たとえ逆境に立っても成功する。ここで言う和とは、次の4つの要件を備えなければならない。
第一に、堅い志があること。第二に、知識が豊富であること。第三に、勉強心が旺盛であること。第四に、忍耐力をもっていること。この4つを備えて和を心がければ、怖いものはない。
逆に、新しく始めた事業が運良く発展しても、人の和が得られなければ、事業の持続は難しいだろう。天運は永遠のものではなく、必ず終息する時が来るからである。
学問とは実務であり、実務とは学問である。学校で学ぶ学問は、実務の下ごしらえのようなものだ。人生は「死ぬまで学問」と考えねばならない。
学問と実務は切っても切れない関係にあり、別のものとして考えることは間違っている。つまり、学問は実務を助けるためにあるのであり、学問と実務は切り離せないものとして、人は生涯学び続けなければならない。
人は常道を歩み、その本分によって得た報酬によって生きるべきである。
自分の利益を優先して、利益を得たいがために商売をすることは、報酬のために職務を執行することと同じである。つまり、報酬さえ得られれば職務はどうでもいいということで、これでは本末転倒である。
たとえどのような仕事であっても、一生懸命に勤めれば、国に公益をもたらすほどの価値がある。職業や身分にかかわらず、道理にそむかず自らの力を尽くして立身することに真の意義があり、その人こそ価値ある人なのである。
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