先読み!IT×ビジネス講座 画像生成AI

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出版社
インプレス

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出版日
2023年03月21日
評点
総合
4.0
明瞭性
3.5
革新性
4.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

世界の注目を集めている人工知能。なかでも注目度の大きい「生成AI」について、初心者でも全体像とポイントがスッと理解できるよう解説してくれたのが本書だ。

画像生成AIでは、どんな画像を生成したいかを表現したテキスト(プロンプト)を指定することで、気軽かつ自由に画像を生成することができる。これまでクリエイターなど特殊なスキルを持つ人々しか生み出せなかった作品を、誰もがより身近に創造できるようになる可能性が高まっている。

一方で、先端的な技術であるがゆえに、法律やルールが未整備な部分も多く、活用にあたっては著作権侵害にならないか留意が必要だ。

本書では、画像生成AIの持つ可能性やイメージした画像をうまく生成させるコツ、AIを効果的に活用するためのアドバイスについては、インタラクションデザイナーである深津貴之氏が解説する。そして、AIに関する法律問題については、弁護士の水野祐氏が教えてくれる。聞き手はITライター酒井麻里子氏で、初心者の目線に合わせた質問をもとにした対話形式をとっている。そのため、これから画像生成AIを利用する読者も安心してポイントをつかめるだろう。通読すれば、画像生成AIの活用例や注意点について一通りイメージできるはずだ。AIとの協働の道を探りたい方に、本書をおすすめしたい。

著者

深津貴之(ふかつ たかゆき)
インタラクションデザイナー。株式会社thaを経て、Flashコミュニティで活躍。2009年の独立以降は活動の中心をスマートフォンアプリのUI設計に移し、株式会社Art&Mobile、クリエイティブファームTHEGUILDを設立。執筆、講演などでも精力的に活動。

水野祐(みずの たすく)
弁護士(シティライツ法律事務所)。Creative Commons Japan理事。Arts and Law理事。九州大学グローバルイノベーションセンター(GIC)客員教授。グッドデザイン賞審査委員。テック、クリエイティブ、都市・地域活性化分野のスタートアップから大企業、公的機関まで、新規事業、経営戦略等に関するハンズオンのリーガルサービスを提供している。著作に『法のデザイン-創造性とイノベーションは法によって加速する』(フィルムアート社)、連載に『新しい社会契約(あるいはそれに代わる何か)』(WIRED JAPAN)など。

酒井麻里子(さかい まりこ)
ITライター。企業のDXやデジタル活用、働き方改革などに関する取材や、経営者・技術者へのインタビュー、技術解説記事、スマホ・ガジェット等のレビュー記事などを執筆。
メタバース・XRのビジネスや教育、地方創生といった分野での活用に可能性を感じ、2021年8月よりWEBマガジン『Zat'sVR』(https://vr-comm.jp/)を運営。メタバースに関するニュースや、展示会・イベントレポート、ツールの解説やレビューなどを発信。
Yahoo!ニュース公式コメンテーター(IT分野)。株式会社ウレルブン代表。Twitter(@sakaicat)では、デジタル関連の気になった話題や役立つ情報などを発信。

本書の要点

  • 要点
    1
    画像生成AIは一般ユーザーに公開され、自然言語で画像が生成できるようになったことにより、急速に注目を集めた。
  • 要点
    2
    画像生成AIは複数の人やモノを描写したり、細部を正確に描写することが苦手だ。しかし、頭の中のイメージを簡単に可視化できるため、全人類の表現力をワンランク上げる可能性を秘めている。
  • 要点
    3
    画像生成AIに関する法律はグレーな部分も多い。著作権の侵害にならないように留意が必要だ。

要約

注目が集まる「画像生成AI」

なぜ今、画像生成AIが注目されているのか?

2022年半ばから一気に注目を集めるようになった画像生成AI。まずは、ブームとなるまでの流れを確認したい。そもそも、これほどまでに注目を浴びるようになったのは、プログラミングの知識も必要なく、テキストで内容を指定するだけで、非常に高いクオリティの画像を生成できるようになった点だ。その源流となったのが米AI研究組織OpenAIが2021年1月にDALL・E(ダリ)、2022年4月にDALL・E2(ダリ・ツー)を発表したあたりである。この時点では、悪用の可能性を恐れて一部のユーザーに向けたβ版のみの提供に留めたため、ブームにはならなかった。

だが、2022年7月にMidjourneyのβ版が登場し、8月にはStability AIがStable Diffusionをリリースして、画像生成AIが一気に注目を集めるようになる。その理由は、一般ユーザーが自由に使えるようになり、普段使用する自然言語で画像を生成できるようになったからだ。

さらに、Stability AIはソフトウェアの設計図にあたるソースコード、そしてAIが画像を学習するときに使うデータセットを全て公開し、他社がStable Diffusionをベースにして独自の画像生成AIサービスを作ることも許容している。こうして誰もが手軽に利用・開発できるツールになったことから、画像生成AIは盛り上がりを見せるようになった。

画像生成AIが絵を作り出す技術的な仕組みは?
Floriana/gettyimages

現在の画像生成AIのメインプレイヤーはいずれも「拡散モデル(ディフュージョンモデル)」と呼ばれるAIのモデルをベースにしている。このモデルは「ディフュージョン」と「クリップ」という重要な2つの技術で成り立っている。

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要約公開日 2023.06.28
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