いまはまだYouTubeを始めていないとしても、TwitterやInstagramなどですでにマーケティングを実践したことがある人は案外多いのではないだろうか。今やビジネスにネットでの発信は不可欠である。そして、今からでも動画マーケティングは遅くない。
ビジネスでは「常に新規の顧客を獲得していかなければ生き残れない」。今までのやり方では、新しい文化を生きる顧客にアプローチできなくなる。動画はまさにインターネットを媒介とした新しい文化の中心だ。「動画マーケティングは自分には必要ない」と考えることは「英語なんて話せなくてもいい」と言うのと同じである。
新しい文化を知り、その文化に即した方法を理解した上で、正しくアプローチする。これが、「今、動画マーケティングを学ぶべき理由」である。
YouTube事業を大きくしていく上で必要な5つのステップは、①コンセプトメイキング、②コンテンツメイキング、③リストメイキング、④メディアメイキング、⑤ルールメイキングだ。ここでは、コンセプトメイキングについて説明しよう。
コンセプトメイキングには3つのポイントがある。まずは「専門チャンネルであること」だ。「稼ぎ方教えます」というだけでは何をやっているかわかりにくい。何かに特化したテーマ設定をしよう。たとえば税理士であれば一般的な節税の話よりも仮想通貨の税金に絞る、といったことだ。誰も手を付けていないディープなテーマで、かつ自分のターゲット層を明確に意識する。
2つ目のポイントは「オンリーワンからスタートすること」だ。自分のチャンネルがライバルのいない状況かを見極めよう。
最後のポイントは「ニーズがあること」だ。YouTube分析ツールの「vidIQ(ビッドアイキュー)」を使えば、どのキーワードにニーズがあるかが平均再生数からわかる。「ニーズ」の基準は、この平均再生数が「20万回以上の場合」だ。それに満たないキーワードの場合は、「Search panel」のリストから関連キーワードなどを参照し、より平均再生数の高いものを見つける。ともあれ、最速でチャンネルを大きくしたいなら、できれば平均再生数が50万以上のジャンルを狙うべきだ。
これらのコンセプトメイキングについて事前にリサーチをするかどうかで、勝負はほとんど決まる。
多くのYouTubeチャンネルで最初に投稿されるのは自己紹介動画だ。自己紹介といってもあなた自身のことではなく、チャンネルのコンセプトについてである。その有無で成長速度や親近感が変わる。
構成は、①名前と実績、②コンセプト、③理念、④登録と高評価のお願いだ。理念では、「なぜYouTubeを始めたのか」を語ろう。「◯◯という悩みを解決したい」のように、「ストーリーやミッション」を説明するとよい。
自己紹介動画をクリックさせることは、「YouTubeの内部評価アップにつながりやすい」。「YouTubeではすべての動画が比較されて」おり、100種類以上の指標によって、「関連動画」に表示されるかの判断が下される。つまり常時、競合にさらされている。その比較指標のひとつが「チャンネル内で視聴者が回遊するかどうか」で、視聴者が動画の概要欄にある自己紹介動画のリンクをクリックすると、「チャンネル内の動画同士を行き来したこと」になるのだ。そうして自然と、評価アップが促される。
企画作りの土台、それは「企画を生み出すためのリサーチ力」だ。
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