2022年7月にLINEが行った調査によると、副業や兼業について「している」「近いうちにしたい」と答えた人は、それぞれ1割程度だったという。副業・パラレルキャリアについて耳にする機会は増えたが、実行に移している人はまだまだ少数なのが現状だ。
では、なぜ個人が自由に稼ぐスタイルが理想論にとどまるのだろうか。その理由は、「そもそも個で稼げるコンテンツなんて作れない」と「コンテンツがあっても個では売れない」の2つに集約される。好きなことをして稼げるのはTwitterやYouTubeでフォロワーをたくさん抱えている人だけだという考えに縛られて、一歩を踏み出せない人が多い。
だが、今後はテクノロジーの進化によって、誰もが個で稼げる時代がやってくる。それが「クリエイターエコノミー」だ。クリエイターエコノミーとは、これまで消費する側だった人が、消費側・販売側どちらにもなれる双方向の経済圏を意味する。自らのスキルや表現を通じて収入を得る点が、ギグワークとは大きく異なる。欧米ではすでにクリエイターエコノミーはブームとなっており、普通の会社員が終業後や休日を活用して副業をしている。
日本の会社員が副業やパラレルキャリアへの一歩を踏み出せない2つの理由を紹介した。しかし、今やそのハードルはテクノロジーの進化によってほぼ解消されている。
1つ目の「作るハードル」を解消したのは、画像生成AIと文章生成AIの台頭だ。例えば、MidjourneyやStable Diffusionというプラットフォームは、「こういう絵を描きたい」と言葉で伝えるだけで、それに合った絵を自動で生成してくれる画像生成AIだ。
また、GPT-3のように、「書かせたい文章のテーマ・キーワード・説明」を入力すると人間が書いたような自然な文章を生成する文章生成AIも登場している。これらの技術はさまざまな場面でクリエイティブな活動をサポートしてくれることが期待される。
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