稼ぎ方2.0

「やりたいこと」×「経済的自立」が両立できる時代
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「やりたいこと」×「経済的自立」が両立できる時代
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出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2023年04月12日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

過去20年、主要先進国の中で唯一日本だけ給与が上がっていない。日本に出稼ぎに来ていた外国人が母国に戻る動きも出ているという。「20世紀的キャリア観」を根本的に見直すべきときが来ている。その一歩として、著者は、パラレルキャリアを築き、複数の収入源を確保することが重要だと説く。

要約者は過去にパラレルキャリアで挫折した経験があるため、最初は「理想ではあるがなかなか実践は難しいのでは」と感じた。しかし、本書を通じて、テクノロジーの進化によって5年前とは環境が一変していると知り、希望の光が見えてきた。

欧米でブームになっている「クリエイターエコノミー」は日本でも大きなブームになることが予測される。その波に乗り遅れず、キャリアの可能性を広げるための指南書が本書だ。著者は人一倍多様な働き方を経験してきた、元LinkedIn日本代表の村上臣氏である。村上氏は、普通の会社員が自らのスキルで自由に稼ぐことのできるクリエイターエコノミーの特徴やメリットをわかりやすく解説する。そして、個人に求められる指針を、「目的」「考え方」「価値基準」「行動」「人間関係」の5つの観点で紹介してくれる。

これからの時代は、「遊ぶように働く人」が成功する時代だ。「やりたいこと」と「経済的自立」の両立をめざす方にぜひおすすめしたい一冊だ。最新のトレンドを知り、キャリアの選択肢を増やすきっかけを掴めるだろう。

著者

村上臣(むらかみ しん)
元・LinkedIn(リンクトイン)日本代表。武蔵野大学アントレプレナーシップ学部客員教員/ポピンズ社外取締役/ランサーズ社外取締役。青山学院大学理工学部物理学科卒業。大学在学中に現・Zホールディングス会長川邊健太郎らとともに有限会社電脳隊を設立。日本のインターネット普及に貢献する。2000年にその後統合したピー・アイ・エムとヤフーの合併に伴いヤフーに入社。2011年に一度ヤフーを退職。その後、孫正義が後継者育成のために始めた「ソフトバンクアカデミア」で、ヤフーの経営体制の問題点を指摘したことを機に、当時の経営陣に口説かれ、2012年にヤフーへ出戻る。弱冠36歳でヤフーの執行役員兼CMOに就任。600人の部下を率い、「爆速経営」に寄与した。2017年11月、米国・人材系ビジネスの最前線企業・LinkedInの日本代表に就任。欧米型の雇用に近づきつつあるこれからの日本において、ビジネスパーソンが生き抜くための「最先端のキャリア・働き方の情報」を日本に届けることを個人のミッションとする。国内外の雇用事情に精通した「キャリアのプロ」として、NewsPicksアカデミア講師、日経電子版Think!エキスパート等を務めるなどメディアにも多数登場し、転職や働き方について発信している。複数のスタートアップ企業で戦略・技術顧問も務める。

本書の要点

  • 要点
    1
    テクノロジーの進化によって、誰もが個で稼げる「クリエイターエコノミー」の時代が到来する。
  • 要点
    2
    活動の過程を公開する「プロセス・エコノミー」を活用し、エンゲージメントの高いファンを獲得しよう。
  • 要点
    3
    複数のキャリアを持つことは自由への第一歩だ。自らの「タグ」を流通させ、声をかけられる存在になろう。
  • 要点
    4
    変化の激しい時代に有効なのは「アジャイル」的な行動だ。クイックな改善のサイクルを回そう。

要約

「個で稼ぐ力」が必要な時代

クリエイターエコノミーの到来

2022年7月にLINEが行った調査によると、副業や兼業について「している」「近いうちにしたい」と答えた人は、それぞれ1割程度だったという。副業・パラレルキャリアについて耳にする機会は増えたが、実行に移している人はまだまだ少数なのが現状だ。

では、なぜ個人が自由に稼ぐスタイルが理想論にとどまるのだろうか。その理由は、「そもそも個で稼げるコンテンツなんて作れない」と「コンテンツがあっても個では売れない」の2つに集約される。好きなことをして稼げるのはTwitterやYouTubeでフォロワーをたくさん抱えている人だけだという考えに縛られて、一歩を踏み出せない人が多い。

だが、今後はテクノロジーの進化によって、誰もが個で稼げる時代がやってくる。それが「クリエイターエコノミー」だ。クリエイターエコノミーとは、これまで消費する側だった人が、消費側・販売側どちらにもなれる双方向の経済圏を意味する。自らのスキルや表現を通じて収入を得る点が、ギグワークとは大きく異なる。欧米ではすでにクリエイターエコノミーはブームとなっており、普通の会社員が終業後や休日を活用して副業をしている。

テクノロジーの進化が「作る・売る」のハードルを下げた
Supatman/gettyimages

日本の会社員が副業やパラレルキャリアへの一歩を踏み出せない2つの理由を紹介した。しかし、今やそのハードルはテクノロジーの進化によってほぼ解消されている。

1つ目の「作るハードル」を解消したのは、画像生成AIと文章生成AIの台頭だ。例えば、MidjourneyやStable Diffusionというプラットフォームは、「こういう絵を描きたい」と言葉で伝えるだけで、それに合った絵を自動で生成してくれる画像生成AIだ。

また、GPT-3のように、「書かせたい文章のテーマ・キーワード・説明」を入力すると人間が書いたような自然な文章を生成する文章生成AIも登場している。これらの技術はさまざまな場面でクリエイティブな活動をサポートしてくれることが期待される。

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要約公開日 2023.07.10
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