世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方

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世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方
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世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方
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出版日
2019年06月30日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

日本人の英語力の低さが指摘されるようになってから、何年、いや何十年経っただろうか。

要約者はかつてアジアの一国で暮らした経験があるが、非英語圏でありながら、現地の多くの人が英語を話したり書いたりすることができた。その理由は簡単、英語ができると稼げるからだ。外資企業に勤めたり、外国人を商売相手にしたりするほうが高い収入を得られる。英語は重要な「生きる術」だったのである。

近い将来、日本もそうなる日が来るかもしれない。少子高齢化による人口減少が進み、2050年には1億人を割ると予測されている。一方で留学生や外国人居住者の数は増え続け、国内のグローバル化は待ったなしに進む。英語ができる人とできない人の差が開き、その差が直接「経済格差」につながる可能性も否定できない。

本書はそのような将来に備えて、我が子を「英語のできる子」に育てたい親に向けて書かれた一冊だ。語学力を伸ばすとなると、海外留学や英会話学校が頭に浮かぶが、それらはいずれもお金がかかる。本書ではお金をかけず、日本にいながら「英検準1級以上」レベルの英語力を獲得するコツを、余すところなく教えてくれる。

本書によると、英語力を伸ばす最大のポイントは「リーディング力」にある。「英語力=英会話力」と思う人も多いだろうが、「リーディング力」を伸ばすことで、話す、聞く、書く力がバランスよく向上していくという。

英語を学び始めるのに、遅すぎることはない。興味を持たれた方は、ぜひ本書を手に取ってほしい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

船津徹(ふなつ とおる)
1966年福岡県生まれ。明治大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威である故七田眞氏に師事。その後独立し、米ハワイ州に移住。2001年ホノルルにTLC for Kidsを設立。英語力、コミュニケーション力、思考力など、世界で活躍できるグローバル人材を育てるための独自の教育プログラムを開発し、使用教材は全米25万人の教師が加盟する「OpenEd」で第2位にランクインした。
20年間で延べ5000名以上のバイリンガルを育成。同校の卒業生の多くがハーバード大学、イェール大学、コロンビア大学、ペンシルバニア大学ウォートン・スクールなど世界トップ大学へ進学し、グローバルに活躍している。
著書に『世界標準の子育て』『すべての子どもは天才になれる、親(あなた)の行動で』(共にダイヤモンド社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    20年後の日本では、英語ができる人とできない人の間に大きな格差が生まれている。
  • 要点
    2
    日本人の子どもが、日本にいながら高い英語力をつけるためには「リーディング力の獲得」が不可欠である。
  • 要点
    3
    英会話だけを習わせても、学習英語力は身につかない。学習英語力を身につけるには「読み書き」の力が必要であり、そのためには日本語の読書力を育てることが先決である。
  • 要点
    4
    英語を英語のまま理解させる「直接法」によって、英語の思考回路を構築することができる。

要約

「英語格差=収入格差」になる未来

英語は日本人の「必須スキル」に

20年後の日本人に最も必要とされるスキルは何か。1つは激化する競争に負けない「メンタルタフネス」、もう1つは「英語」である。

日本人は国語、算数、理科、社会などの基本教科においては、世界トップクラスの実力があるものの、英語だけはいまだ世界最下位レベルである。グローバル化が進む中、今後は国内で仕事をするにしても、すべての分野で英語が必要となることが予測される。20年後の日本では、英語ができる人とできない人の間に、大きな格差が生まれるだろう。

いち早くグローバル化した韓国
LightFieldStudios/gettyimages

そのような兆しの中、文部科学省による英語の教育改革が進められている。2020年には小学5年生以上の英語が教科化され、21年からの大学入試共通テストでは、問題文が全て英語になるなど、「リーディング重視」の内容に変更された。これらは、お隣の韓国をモデルにしている。

韓国では1997年のアジア通貨危機をきっかけに、英語教育に本腰を入れ始めた。その結果、2017年のTOEFL iBTの平均スコアはアジア29ヶ国中11位と、英語力を格段に伸ばしている。(同年の日本のスコアは27位。)

また、小学生から高校生のうちに「早期留学」をする子や、ネイティブの英語塾に週5〜6回通う子も急増。2018年、アメリカの大学に通う韓国人留学生の数は中国、インドに次ぐ世界3位であった。

韓国のグローバル化は英語教育ブームを引き起こし、韓国人の英語力を一気に引き上げた。

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要約公開日 2023.06.29
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