新しい英語力の教室

同時通訳者が教える本当に使える英語術
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出版社
インプレス

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出版日
2022年07月21日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

春になると書店には「英語学習」に関する書籍が目立つようになり、なんとなく気になって手が伸びてしまう。今や国際共通語となった“英語”。年々、翻訳・通訳アプリの性能が良くなっているが、それでもやはり英語を学びたいという気持ちはなくならない。

本書は「英語ができるようになりたい」と思いながらも、はじめの一歩が踏み出せない人にぴったりの一冊だ。著者は、20年以上にわたって同時通訳として働いてきたプロフェッショナル。英語の非母語話者として英語学習を経験してきた学習者でもある。これまでの学習経験や通訳として働いてきた経験をもとに、英語コーチとしても活躍する著者の紹介する学習法には説得力がある。

本書が紹介するのは、すぐに役立つ英語の知識ではない。なぜなら、英語を身につけるためには、自分自身で英語を学ぶ目的を明確にし、自分のライフスタイルに合わせた学習プランを立てなければならないからだ。本書は、著者自身がコーチングで実践している英語学習プランの立て方をベースに、読者自身が自分の力で学習プランを立てられるようになっている。英語はあくまでコミュニケーションの道具。本来達成したかった目的が見えてくれば、どのように道具を磨き込んでいけば良いかがわかるはずだ。英語を自分が学ぶ理由を考えるところから、もう一度英語の学習をはじめよう。

著者

田中慶子(たなか けいこ)
愛知県出身。地元の県立高校を卒業後、劇団研究員、NPO活動を経てアメリカ最古の女子大であるマウント・ホリョーク大学を卒業(国際関係論専攻)。帰国後は衛星放送、外資系通信社、NPO勤務の後、フリーランスの同時通訳者に。天皇皇后両陛下、総理大臣、ダライ・ラマ、テイラー・スウィフト、ビル・ゲイツ、デビッド・ベッカム、U2のBONO、オードリー・タン台湾デジタル担当大臣などの通訳を経験。
2010年、コロンビア大学にてコーチングの資格を取得し、現在は通訳の経験をもとに、ポジティブ心理学なども取り入れたコミュニケーションのアドバイスをするコーチングの分野にも活動を広げている。
2020年、慶應義塾大学大学院システムデザインマネジメント研究科修了。デザイン思考を用いた英語学習法を研究。

本書の要点

  • 要点
    1
    「英語ができる」人は、必ずしも日本語と同じ感覚で英語が使えるわけではない。英語を使いながら、自分の足りないところに気づき、学び続ける。この循環がある状態が、「英語ができる」ということだ。
  • 要点
    2
    目的をはっきりさせずに漠然と英語を学び始めると、途中で挫折してしまうことが多い。英語を身につけるには時間も労力もかかる。自分にとって最適な学習プランを立てるために、英語を学ぶ目的を明確にしよう。
  • 要点
    3
    自分が英語を学ぶ目的がわかったら、英語学習を日常に組み込む方法を考えよう。モチベーションが下がったときでも続けられる仕組みを作れば、挫折しにくくなる。

要約

「英語ができる」とはどういうことか

経験は、知識をスキルに変える

日本語のネイティブである日本人が全員同じ話し方をするわけではないように、英語の言葉遣いは地域や年齢や立場によって異なる。話し方はその人の大切な個性の一部だ。日本ではネイティブスピーカーを目指そうとする学習者が多いが、ネイティブスピーカーのまねをすることよりも、コミュニケーションツールとしての英語力を鍛えるほうが効率的だ。

英語の試験でよい点をとっているのに、話すことに自信が持てないという日本人は多い。バットの振り方を学んだだけで野球選手として活躍できるわけではないように、英語の知識をどれだけ身につけても、使った経験がなければ使えるようにはならない。実践で使い方を磨かなければ、知識をスキルにすることはできないのだ。テストの点数に関係なく、英語のコミュニケーションがうまい人は、実践を繰り返しながらスキルを習得している。

「英語ができる」と言われる人は、必ずしも日本語と同じ感覚で英語が使えているわけではない。彼らは自分の英語力がまだ不十分だと思いながらも、英語を使いながら学び続けている。使っているからこそ、自分の足りない部分に気づき、必要に迫られて学ぶ。使うことと学ぶことが循環している状態が、「英語ができる」ということなのだ。

コミュニケーションツールとしての英語に必要なもの
maroke/gettyimages

目的をはっきりさせずに漠然と英語を学び始めると、途中で挫折してしまうことが多い。目的はモチベーションの源だ。さらに語学を身につけるには、ある程度の時間と努力も必要だ。それゆえに効率よく、自分にあった学習方法を探し出すことが重要になる。自分にとって最適な学習教材を選ぶためにも、まずはなぜ自分が英語を学びたいのかをはっきりさせよう。

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要約公開日 2023.06.18
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