英語学習で身につく英語には知識英語と感覚英語の2種類があると著者は考えている。知識英語とは、学校の授業で習う類のもので、頭の中に作り上げた文法回路を用いて英文を理解するようなものを指す。一方、感覚英語とは、直感的にわかってしまう英語のことだ。I’m sorryなど、使い慣れていて英文法を使って読解作業をしないでもわかるようなものがこれにあたる。
日本人の英語上級者にはこの知識英語上級者と感覚英語上級者の2種類がいる。著者のおすすめは、感覚英語上級者を目指すことである。知識英語上級者は、辞書を使えばどんな本でも読める。だが、速度が遅いという致命的な欠陥がある。手早く情報を精査できなければ仕事で使える武器とは言えない。
感覚英語上級者は多少わからない個所があろうと、辞書なしで最後まで本を読み通すことができる。書かれていることを楽しむことができるし、要約するのも得意だ。
感覚英語に強くなるために重要なのは「完全理解を諦める」ことだ。わからない部分があっても、すぐに辞書を使わないこと。常にわからないことがある状態に慣れて、とにかく英語との接触回数を増やすことが大事だ。そうしているうちに、じわじわと感覚的に使える表現が増えていく。
接触回数を増やす最良の方法は「本を読むこと」だ。特に登場人物に感情移入して読む小説は、文法の感覚化を自然に進めることができる。
著者の経験から言えば、英語は「10000時間」使えばネイティブの大学生程度の英語力を獲得できる。ネイティブの18歳は生まれてから10万時間以上英語を使っている。日本人の大人は語学以外の知識と経験の積み上げがあるので、10000時間を使えば合わせ技で納得の英語力が手に入る。
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