2004年の夏、ジェフ・ベゾスは上級幹部会議におけるパワーポイントの使用を禁止した。ビジュアルや箇条書きから成るスライドの代わりに、文書やナラティブ(ストーリー仕立ての文章)による明快な説明によって、アイデアを共有することとなった。このブループリント(設計図)こそが、その後20年にわたるアマゾンの驚異的な成長を支えたのだ。
億万長者としてのベゾスの人生や、アマゾンの成長物語について書かれた本は他にもある。だが、ベゾスの並外れた文章力とストーリーテリング力というコミュニケーションスキルは、あまり注目されてこなかった。シリコンバレーの伝説的ベンチャーキャピタリストとして知られるある人物は、ベゾスのライティングとコミュニケーション戦略をビジネススクールの科目として義務づけるべきだと述べている。
文章を書き、協力してイノベーションを起こし、アイデアを売り込み、プレゼンテーションの方法を改善する。こういったコミュニケーション戦略やツールは、シアトルのガレージで働く小さなチームを世界最大の企業の1つへと成長させた、拡張性のあるモデルである。
ベゾスは、インターネットがあまり知られていなかった時代に、多くの投資家にビジョンを売り込むことに成功した。ベゾスはコミュニケーションスキルがすべての土台であると知っていた。
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