女子とお金のリアル

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出版社
出版日
2023年08月08日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「仕事、家庭、育児、自分。全てを犠牲にせず楽しく両立し、自分が一番幸せでいられる姿を模索したい」

著者のブログの最初の記事にはこんな一文がある。それが達成できたらどんなにいいだろう。心の奥底ではそう思ってはいても、現実はそううまくはいかない、そんなことを願うのはわがままだという言葉が頭をかすめていたら、本書の出番かもしれない。

著者である小田桐あさぎ氏は、手取り20万円未満のOLから起業家として年商4億円を達成し、ここで挙げた全てを実際に手にした人物だ。これを達成できたのは、著者が「女子への呪い」と呼ぶ「貯金・節約・清貧こそ善」という考え方から脱却したことが大きい。

本書には世の中のお金の本では定番の「節約術」「貯金術」には一切触れない。「愛かお金か」「自由かお金か」といった、二者択一を迫ることもない。むしろ、全部を手に入れたいと思うのは人間として当然のことであると認め、「強欲」であることを推奨すらしている。自分の欲を認めてしまえば、誰かのために生きる人生を終わらせることができる。そうすることで、愛もお金も全部手に入れるために動き出すことができるというのが本書の主張だ。

「自分の人生なんてこんなもの」と達観したふりをしていた人には、本書のメッセージは特に響くはずだ。自分には「稼ぐ人生」なんて無縁だと考えていた人でも「自分にとって必要な金額はいくらだろうか?」「いくらあったら何に使いたいだろうか?」と考え始めるだけで、自分の人生を自分のために歩こうという気分になれることだろう。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

小田桐あさぎ (おだぎり あさぎ)
株式会社アドラブル代表
1983年札幌生まれ。厳しい母の元で幼少期から一見いい子に育つが、高校(進学校)在学中に爆発し、社会人生活をスタートさせる。20代は転職を繰り返すも手取り20万円以下、30代で年収500万円台となる。第一子妊娠中に始めたブログが評判となりコンサル依頼が増え、起業。その後、仕事・恋愛・結婚・育児などに悩む女性向けの講座をスタート。8年間で1,700名以上が自分らしい生き方を開花させている。副業や起業でお金の自由を得る受講生も多数輩出。2021年から家族でドバイへ移住し、現在の年商は4億。8歳と3歳の子どもにイライラすることも、夫との喧嘩もナシ。著書に『「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本』『嫌なこと全部やめたらすごかった』(WAVE出版)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    貯金がないとダメ、節約こそ正義といった風潮は強いが、「自分が気分よく毎日を過ごすため」にお金を使うことにこそ、価値がある。お金を大切にしたければ「安さ」ではなく「欲しいもの」を選び、自分を幸せにするお金の使い方を心がけるべきだ。
  • 要点
    2
    身の丈にあった暮らししかできないと思う人は、手帳に「自分の理想の人生」を描くことを勧める。理想を実現する第一歩は、欲望のままに生き、頭と心と体を一致させることにある。このために描くべきは夢リストというよりも「欲望リスト」である。

要約

【必読ポイント!】 女子への呪い

女性の人生は誰のもの?
Satoshi-K/gettyimages

18歳で社会人生活をスタートさせた頃の著者は、お金の「こじらせ暗黒期」にいた。手取り14万円の給料で、同棲していたニートの彼氏と2人分の生活費を払い、家計は自転車操業。生活費を切り詰めても彼氏がパチンコでお金を使ってしまうため、カードローンは200万円まで膨らんでいた。

栄養失調で寝込んでいるところを親に見つかって実家に連れ戻されてからは、自分の給料を上げようと留学したり資格を取ったりしてみたが、どの仕事も長続きせず、手取りが20万円を超えることもなかった。だったら結婚で一発逆転するしかないと婚活してみても、まったくモテもしなかった。

仕事も婚活もうまくいかないし、実家が裕福でもなければ特別な才能もない。このまま一生貧乏なのかと落ち込んだが、だったらいっそ一人で好きに生きようと開き直った。不思議なことに、これが著者が「お金持ち」としての第一歩を踏み出す転機になった。転職先の営業職がはじめての「天職」になり年収は500万円を突破。女性でも営業で結果を出し、自分次第で給料が増やせるんだと実感したことで、著者は「お金の呪い」から解き放たれ始めた。

日本の女性は「お金の呪い」にかかっている。女性は男性より収入が低いことが多く、男性より稼ぐ女性は可愛くないという価値観さえある。女性がお金持ちになりたいと思ったら、好条件な男性と結婚して良妻賢母を目指すべき。結婚したら女性は仕事をセーブして、家族のために尽くすべき。

こんな考えは完全に呪いだ。「女性だから」「結婚しているから」という理由でキャリアや自分に時間を使うことを我慢することが当然視される風潮はおかしい。これでは女性の人生は他人のためにあるようなものだ。

女性も自分次第で幸せにお金を稼ぎ、自由も愛も手に入れることが絶対にできる。この本ではその方法を紹介していく。

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要約公開日 2024.03.24
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