著者の長村氏は新卒でリクルートに入社し、ゼクシィの営業に配属された。3年で数字として最上位レベルを稼ぐトップセールスに成長した彼は、上司にチームリーダーにしてほしいと願い出る。だが、「周囲と調和が図れない」などの理由から断られてしまう。
そこで長村氏は、当時ベンチャー企業だったDeNAへの転職を決めた。DeNAでは年功序列も政治もなく、「できる人により大きな責任を」という考え方が徹底されていた。前職とは景色が大きく違った。
ベンチャーとは事業基盤がなく「弱い」会社だ。実力のある人に責任を付与し、事業を引っ張っていく「勝利にこだわるマネジメント」が求められる。一方、前職のリクルートは盤石な基盤が既にある「強い」大企業だ。備えるべきは「外敵」ではなく「内乱」であり、「和を以て貴しとなすマネジメント」が求められるのだ。
同じマネージャーでも、その役割は大企業とベンチャーで全く異なる。長村氏は、ベンチャーにおけるマネジメントの専門性を求められる場所で仕事を続けようと決めた。
これからの時代は、副業解禁、DXにより、さまざまな人が有機的につながり協働していく「ネットワーク型組織」が増えていく。一社内での地位や権力を活かしたマネジメントは通用しない。多様な立場の人と対等=イーブンな関係でチームをまとめあげることが求められていく。
長村氏は業務の範囲も定義も曖昧なマネジメントについて、ベンチャーにおけるマネジメントに絞り、ノウハウの体系化を試みた。そうして開発したのが「マネジメントの地図」だ。マネジメントの地図は4つの大項目から成る。
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