田舎町の中学サッカー部でプレーをしている青井葦人(アシト)。ある日アシトはプロサッカークラブ「エスペリオン」のユース監督に見出され、ユースチームに入団する。しかし入団早々、ジュニアユースからの昇格組とのレベルの違いに圧倒されてしまう。
コーチはアシトの“致命的な欠陥”に気づき、「プロになれない」と告げる。その欠陥とは「思考力のなさ」。アシトは、「考えない葦」だったのである。
思考力のベースとなるのは「言語化」だ。ストーリーが進む中で、アシトは試行錯誤をしながら言語化力を磨き、自らの才能の活かし方を理解していく。アシトの気づきや成長していくプロセスは、良質な仕事のヒントになるはずだ。
次章より「思考のフレームワーク」の中心となる「観察→判断→実行」ループを、「自分で考えて動ける人材」の観点から解説する。
ある脳学者によると、脳は知識がないものについては認識ができないという。つまり「知らないものは見えない」のである。
アシトはユースチーム入団直後、紅白戦でチームメイトとプレーがかみ合わず、ジュニアユース出身の黒田選手からこう言われる。「パスからメッセージが伝わらないの? それ以前に、僕らのポジショニングやボールの運び方を見たら、意図くらい察知できるはずだ」。
黒田はじめ昇格組は「ポジショニング」「ボールの運び方」「パスのメッセージ」という共通の視点やセオリーを持っているが、部活上がりのアシトにはそれがない。そのため、黒田と同じ状況を見ているのに認識ができず、アシトは「何を言われているのかわからない」状態に陥ってしまう。
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