オードリー・タンは14歳のときに学校へ行くのをやめ、独学の道を進んでいった。幼い頃から天才児と呼ばれてきたが、最初から進むべき道が明確だったわけではない。
彼女は、独学の道を進むには、孤独にならないことが重要だと強調する。独学とは家にこもって学ぶことではない。普通の学生以上に何らかのコミュニティーに属するなどして、孤独に陥らないようにする必要がある。そうすれば、自分は何の後ろ盾もない存在だと感じずに済む。また、互いに信頼し合えるコミュニティーに属することで、あらゆる方向に思考を巡らせやすくなる。
現にオードリーは大学に居場所を求め、哲学やインターネットに関する講義を聴講して、思想的視野を広げていった。たとえば、哲学者ファイヤアーベントの『方法への挑戦』や、ガダマーの『真理と方法』などの著作を通じて、哲学的概念に触れてきた。これにより、この世界に正しい答えを知るものなどいない、誰もが自分にとっての正しい答えを持つべきだと悟った。
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