20代・30代で知っておきたい これからかかるお金で困らない本

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出版社
日本実業出版社

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出版日
2015年02月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

世界各国と比べても幸せな暮らしが確保されている国の一つであった日本。バブルが弾け「空白の20年」と言われたこの期間も、物価の下落や収入の下降にもかかわらず、実際の生活にはそれほど影響がなく暮らし続けることができた。しかしながら、これからの20年は、果たして今までのような暮らし方、お金の使い方でよいのだろうか?

最近、「老後破産」「老後難民」という言葉を耳にするようになった。これは人生における資金計画の欠如によるものではないだろうか。20年後、30年後、どういう人生を送りたいか。またどういう自分でありたいか。そこに大きく関連するのが「これからかかるお金」への考え方・貯め方だ。もちろん20年後や30年後の自分のことをはっきりとイメージすることは難しい。「数十年後のことを今から考えるなんて現実的ではない」と思う人も多いだろう。ただ、計画を立てることなく計画以上の人生を送れることは絶対にあり得ない。計画や将来の予測は、当たるか外れるかが重要ではなく、現実をしっかりと理解するための物差しとして持っておくべきものなのである。

著者は、人生の計画を立てる上で一番大切なことは、保険等を含む金融商品と人生のライフステージをリンクさせて考えることだと述べている。ここでいったん立ち止まり、自分のお金に対する意識を冷静に見直してみようではないか。

著者

岡崎充輝(おかざき みつき)
岐阜県の揖斐川町商工会で、中小企業の経理指導・経営指導をするかたわら、独学でファイナンシャルプランナー資格を取得。税金から社会保険にいたるまで幅広い知識を駆使しながら、個人家計の顧問FPを目指し活動中。年間100名以上の家計相談や、年間30回以上のセミナーの講師、地元FM局のパーソナリティーを務めるなど精力的に活動している。
(株)ヘルプライフオカヤ代表取締役。住まいと保険のFP相談センターを主催、一般社団法人ライフプランアドバイザー協会特別顧問。2級ファイナンシャルプランニング技能士、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定AFP、住宅ローンアドバイザーを保有。
著書に、『定年までに知らないとヤバいお金の話』『【図解】知らないとヤバいお金の話』(以上、彩図社)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    親世代から受け継がれてきた、現状よりもっと豊かになっていくということを前提とした「幸せな生活ができる日本」は幻想となってしまった。現実に即した新しいお金の使い方の習慣を持つべきだ。
  • 要点
    2
    人生設計を改めて考えよう。住宅費、生命保険、教育費、自動車費、それぞれに考えるべきお金の使い方がある。ひとつひとつの損得ではなく、ライフステージ上でリンクさせて考えることが大切だ。
  • 要点
    3
    家族にとっての優先順位を考え、収支の予測に基づいたライフイベント表、キャッシュフロー表を作成しよう。

要約

日本経済の変化

お金の習慣の現状認識をしよう

バブルが弾け、この20年間、年収は下降傾向にある。一方で、社会保険料は増加し、スマートフォンへの移行や震災後のエネルギー価格の高騰、円安により通信費、水道・光熱費は増えている。私たちが日々使えるお金は減り続けているのだ。実際、「貯蓄がない」という世帯割合は以前であれば20%前後で推移していたが、2013年では30%を超えており、3人に1人の割合で貯蓄が全くない世帯がある。

以前のような勢いのない日本は、世界のお金の流れからどんどん離れていっているといえる。それにも関わらず、私たちの行動は、親世代が描いていた「毎年年収が増え、上場企業に就職し夢のマイホームを手に入れる」というような一昔前の未来予測に基づくままではないだろうか。そうした行動は、現実に合わせて変えていかなければならないのだ。

【必読ポイント!】人生をトータルでとらえたマネープランを

人生設計の重要性
shutter_m/iStock/Thinkstock

実際、「10年後、どれぐらい貯蓄があるか」と考えたことがあるだろうか。多くの人は人生設計をする上で、マイホーム購入や子どもの教育費等、お金の流れに大きく影響を与える出来事が発生してから初めてお金のことを考える。しかし、人生全体とそれらをリンクして考えなければ意味がない。10年後、20年後の単位でお金の流れを見て、最終的には自分たちが老後どのぐらいの費用の準備が必要なのか、トータルで考えていくべきなのである。

下記の観点から、マネープランを考えてみよう。

「住宅関連資金」を考える
stuartmiles99/iStock/Thinkstock

マイホームと賃貸、どちらが得かというのは大きなテーマである。

住宅をローンで購入した場合、先々かかってくる高額の修繕費なども考慮すると、だいたい50年住むことでコスト的に賃貸と並ぶ、と著者は試算する。50年その場所に住むのかということと、日本の住宅は平均30年で劣化して取り壊されるという現実も合わせて検討する必要がある。

また、家を購入する時、「今支払い可能な金額」「購入にかかる費用」のみを計画し、「総返済金額」を考える人は少ない。5000万円の物件には利息がついて、5000万円以上を支払うことになるのだ。現金で購入しない限り、住宅ローンを組んで購入することになるが、それは金融商品を購入することと変わらない。よって、大小のリスクが伴う。もちろん将来のリスクを的確に判断し、未然に防ぐことは非常に難しい。一番大事な点は、どのぐらいのリスクなら耐えられるか、そしてそのリスクに対し備えが可能なのか、自分で認識してローンの金利を選ぶことである。

「生命保険」を考える
stanciuc/iStock/Thinkstock

掛捨てという言葉を、損をするととらえがちの日本人は、どちらかというと積み立て系の生命保険に加入する人が多い。しかし、生命保険=貯蓄ではない。

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要約公開日 2015.05.04
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