プレゼンの本質とは、聞き手に自分の主張を伝え、聞き手の「目と耳」に訴えかけることである。「目」に訴えるのは、プレゼンターの動きや表情と、資料に書かれた内容であり、「耳」に訴えるのはプレゼンターの話である。
プレゼンを、内容によって類型化すると、「提案型」と「報告型」とに分かれる。「提案型」では聞き手に意思決定をしてほしいことを明快にすること、「報告型」では事実だけでなくその解釈を加えることに留意したい。「提案型」は新商品企画など自由にアイデアを提案する「自由回答型」と、限られた選択肢から最適な回答を提案する「選択肢型」に細分化できる。
内容によって、また、プレゼンターの人数や資材、起立か着席かの形式によってもプレゼンのタイプは変わってくるので、それぞれの違いを意識した上で適切なタイプを選択することが大切である。
プレゼンを成功させるためのコツは、「主張を明快にすること」に尽きる。そのために、資料作りにおいてストーリー作りを意識することが核心となる。
プレゼンにおけるストーリーとは、聞き手に主張を納得してもらうための話の流れである。よって、資料を作るときには、主張を納得してもらうために必要な要素をわかりやすい順番で並べ、語られる内容すべてが「結論」につながっていることを意識しなくてはいけない。
ストーリーの基本構造は、突き詰めれば「分析→主張」である。「分析」とは、事実を考察・解釈し、発見を見出すことであり、この発見が主張の「結論」を支える「根拠」になってくれる。
また、ビジネスのプレゼンにおいても、ストーリーが持つ「人の感情を動かす」力を活用することが大切だ。人は必ずしも論理だけで意思決定をしているわけではない。サプライズと期待感を感じてもらえる内容かどうかという点も、大事なチェック・ポイントなのである。プレゼンとはエンターテイメントという意識を持つとよい。
プレゼン本番での「話し方・見せ方(Delivery)」の核心は、「自信を持つこと」と、「山場を意識すること」の2つである。
ここでの自信とは、「成功した結果、自然と身につくもの」ではなく、「成功するために意識して持つべき態度」である。自信を持てるようにするには、本番の会場をイメージして「メンタル・リハーサル」をすることを習慣化するのが効果的だ。
また、山場(クライマックス)とは、最も聞き手の記憶に残したい箇所のことである。事前に「ここが山場」だとプレゼンターが意識しているだけでも、聞き手にも自然とその「山場感」は伝わる。一般的には「結論とそれを支える重要な根拠」を述べた、重要な3か所程度(スライド3枚程度)を山場とするとよいだろう。この3枚が論理的につながっているかどうかが、説得力あるストーリーになっているかどうかの目安の1つになる。
プレゼンの 資料作りとは、頭の中の考えを目に見える形に具現化することである。そもそも資料が重要になるのはなぜか?
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