大人の女はどう働くか?

絶対に知っておくべき考え方、ふるまい方、装い方
未読
大人の女はどう働くか?
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大人の女はどう働くか?
出版社
出版日
2014年08月06日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

「みんなに好かれようとしている」、「ネットワークづくりに関心がない」、「決める前に人の意見を聞く」。当てはまる項目があると感じるのなら、あなたは自分の能力を最大限発揮して成功するためのチャンスをみすみす逃しているかもしれない。

ビジネス・コーチングの先駆者として25年間、多くの働く女性を指導してきた著者は、「女性が仕事で能力を発揮しきれていない原因」をつきとめ、本書で「101の注意すべき言動」としてまとめている。仕事で成果をあげているのに昇進を見送られたり、会議での発言を軽視されたりしている女性は、無意識のうちに自分の威信を損ない、キャリアの妨げとなる言動をとっているのだという。著者によると、その原因の一つは、「女性は礼儀正しく、従順で、他人の気持ちを優先すべきだ」という社会通念に女性自身がとらわれていることである。この通念から脱し、男性的に行動するのでもなく、女の子としてふるまうのでもなく、「大人の女性」にふさわしい働き方を提案するのが本書である。

まずは、本書に用意されている「自己評価」の診断テストを受けて、考え方・行動の仕方・自分の売り込み方・話し方などから、自分が強化すべき点や改善すべき点を探ろう。そして、行動を変えるためのアドバイスのうち、自分にしっくりくるものを選んで実行に移していくと、大きな変化を実感できるはずだ。

仕事のチャンスや昇進、昇給などの面でまだまだ男女格差が残る社会において、よりしなやかに、自分の望むキャリアを築いていきたい女性のための「人生の指南書」としてお薦めしたい。

ライター画像
松尾美里

著者

ロイス・P・フランケル
大企業のCEOから新入社員まで、あらゆる人を対象としたビジネス・コーチングの先駆者。コンサルティング会社コーポレート・コーチング・インターナショナル社長。講演者としても世界的に人気が高く、その機知に富んで温かく、実際的なアドバイスで、多くの人を魅了しつづけている。著名TV番組にもゲスト出演多数。ピープル誌、ウォール・ストリート・ジャーナル紙では特集記事も組まれた。主な著書に『「いい子」をやめて、金持ちになる』(SBクリエイティブ)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    ビジネスは試合である。組織や部署によって異なるルールを理解し、自分の望む方向にことが運ぶように考え、行動しなくてはいけない。
  • 要点
    2
    社内政治で重要なのは、人間関係と見返りの構造を理解し、双方にとって有益な状況をつくりだせるようなギブ・アンド・テイクを意識することだ。
  • 要点
    3
    職場で大切なのは、競争に比重を置く男性的な特質と、人間関係を活かすことを大事にする女性的な特質とのバランスをとり、有能な大人の女性にふさわしいふるまいをすることである。

要約

【必読ポイント!】 試合の進め方

ビジネスは試合

多くの女性は仕事上の駆け引きを避けようとする。しかし、ビジネスは勝者と敗者のいる試合なのだ。ルールを理解して、自分の望む方向にことが運ぶように考え、行動しなくてはいけない。そして、そのルールは組織や部署によって違うため、場所が変われば新しいルールをつかんで仕事に臨む必要がある。「上司に逆らわない」、「主張の正しさより礼儀正しさのほうが重要」といった、その職場で期待される暗黙のルールを一覧にし、自分の普段の言動と比較してみるとよい。

一方、つねにルールを厳守し、安全な試合ばかりしていると、卓越した仕事はできない。リスクを負ってでも主導権を発揮して、求められている以上の仕事に挑戦することもときには大事である。たとえ注意されてもすぐに安全策に後戻りせずに、「これは大胆なプレーの仕方を学ぶチャンス」だととらえよう。

働きすぎにご用心
Monkey Business Images/Monkey Business/Thinkstock

「女性は男性の二倍働いて、ようやく男性の半分の価値を認められる」という言葉があるせいか、女性はアリのように働く傾向がある。しかし、必死に働いただけで昇進する人はいない。好感を持たれ、戦略的な考え方ができ、情報網を持ち、うまく共同作業ができるといった要素がそろって初めて、実り多いキャリアを築けるのだ。例えば、女性が浪費と見なしがちな雑談の時間に、男性たちが仕事に役立つ人間関係を築き、ビジネスのチャンスを手に入れていることも多い。成功の秘訣は、雇用や昇進の意思決定者に、仕事の能力だけでなく、人となりやコミュニケーション能力も認めてもらうようにすることだ。少しの時間を「浪費」する余裕を持ち、一日の就業時間の5%を人間関係づくりに充ててみよう。

また、女性は「私がやらないと誰もやらないから」と考えて下働きまで引き受けてしまうケースが多い。しかし、昇進は、成し遂げられた仕事の結果に対する報酬であり、やみくもに働いても評価されることはまずない。目立たない、さほど重要でない仕事まで買って出るのをやめることを心がけよう。あなたに仕事を押しつけようとする人に対しては、はっきり断る練習をすることだ。

与えられるまで待つのをやめよう
sylv1rob1/iStock/Thinkstock

「油は軋む車輪にさされる」という諺があるように、自分から求めなければ、ほしいものは手に入らない。ところが、女性は得てして要求が大きすぎると思われるのを恐れて黙りがちだ。アメリカの平均的な女性は、同じ地位の男性より28%も収入が少ない。女性差別の側面もあるが、女性が権利を主張しないのも原因の一つだと著者は考えている。

ある女性は、部署内で自分だけが特別賞与をもらえなかったのは、自分が評価されていないからではと気をもんでいた。彼女は「自分に特別賞与を受ける権利があるか」を尋ねようとしたが、著者は「賞与を受ける権利を前提として、いつ受け取れるのかを訊くべきだ」と助言した。助言にしたがって尋ねたところ、特別賞与の未支給は人事担当者の過失のせいだったことが発覚する。この実例は、自分に否定的な説明をでっちあげるよりも事実をつきとめることと、与えられて当然のものは自ら要求することの重要性を教えてくれる。

社内政治における大事なポイント

社内政治はどんな組織にもつきものであり、参加を避けていると職場で孤立してしまう。

社内政治で重要なのは、人間関係と見返りの構造を理解することである。

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要約公開日 2015.05.18
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