一流の人は上手にパクる

仕事のアイデアがわいてくる大人のカンニング
未読
一流の人は上手にパクる
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仕事のアイデアがわいてくる大人のカンニング
未読
一流の人は上手にパクる
出版社
祥伝社
出版日
2015年02月06日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

カンニングにどのようなイメージをお持ちだろうか?

学生時代のカンニングは悪いことで処罰されるが、大人になってからのカンニングは、新しい発想を得て成果を出せる場合もあるため、むしろ褒められるのだ。一流と呼ばれる人は皆、誰かが先にやったことを上手にカンニングしている。斬新なアイデアだって必ずどこかにネタ元があるのだ。ヤマト運輸だって吉野家のビジネスモデルをカンニングし、フェデックスのハブシステムはなんと自転車のスポークからアイデアをもらっていたのだ。

「大人のカンニング」とは、他業種でうまくいっていることを盗み見し、自分のアイデアに変えることである。しかし、ただパクるだけではだめだ。世の中に有り余る情報からどれが流行するのか、どのようなアイデアが成功するのかを時代のニーズと掛け合わせてキャッチし、それが自分のビジネスに使えるのか、それをどう応用するのかを考えなければならない。本書ではカンニングのポイントを情報収集力、情報変換力、情報応用力の3つに分け、これらの能力を身につけるための様々なトレーニング方法を詳しく書いている。

そして著者が一番に伝えたいことは、働く人は誰でも受け身ではなく、「企業家」精神を持って仕事に臨むべきだ、誰もが「企業家」になって欲しい、というところだろう。近年誰もがリストラ候補になりえ、終身雇用も無くなってきている中、カンニング力を鍛え自分自身で道を歩む選択肢を作った方がよい。ジョブセキュリティは自分で作り出さなければいけない今だからこそ、本書が提供する知的なたくましさを身につけてみてはいかがだろうか。

ライター画像
山下あすみ

著者

俣野 成敏(またの・なるとし)
1993年、シチズン時計(株)入社。会社の赤字転落のため30歳でリストラ候補になり、一念発起。メーカー直販在庫処分店を社内起業し、年商14億企業に育てあげる。その功績が評価され、33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢される。40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。この体験を元にした『プロフェッショナルサラリーマン』を2011年に上梓。翌12年、独立。複数の事業経営の傍ら、私塾「プロ研」を創設してプロフェッショナルサラリーマンの育成にも力を注いでいる。著書は他に『一流の人はなぜそこまで、コンディションにこだわるのか?』(共著)など、多数。福岡県出身。

本書の要点

  • 要点
    1
    ビジネスにおけるカンニングとは、不正行為どころか新たな商品やサービスを生みだすなど、新しい発想の元にもなりえる。
  • 要点
    2
    大人のカンニングに必要なステップは、情報をストックし、その中から必要となる情報を選び、その情報を変換し、最後に応用する、というものだ。
  • 要点
    3
    カンニング力が身につくと、見えるもの、聞こえるもの全てがビジネスの種になる。また、身につけば身につくほど発想力が活性化され、その発想によってこれまでになかったアイデアが生まれ、誰かの役に立ったり、「夢」を創ったりすることができる。

要約

大人のカンニングとは?

大人のカンニングと学生のカンニングの違いを理解しよう
omgimages/iStock/Thinkstock

学生のカンニングとは、正解を書き写すことを指す。これは不正な行為で、やってはいけないことだ。しかし、サラリーマンのカンニングとは、不特定多数の情報の中から、自分にとって有益な情報をチョイスし、ビジネスとして応用するという意味になる。大人のカンニングは不正行為ではなく、むしろ新しい商品やサービスなどを生み出す発想の源泉にもなりうる。

ビジネスの世界には正解もなければ模範解答もなく、何をカンニングするか、それをどう応用するかはあなた次第である。大人のカンニングは成功事例を自分のビジネスにどう活かせるかだけを考えれば良いし、いつでもカンニングして良い。大人のカンニングに大切なことは、同業他社で成功したものを真似してもそれは「パクリ」になってしまうので、全く異なる業界の成功事例を自分の業界で上手に使えるよう変形してトップを狙うことだ。

カンニングは新しいビジネスの卵である。そして、世の中はカンニングできる事例に満ちている。その気になって世の中の成功事例を見て「大人のカンニング」をすることで、ビジネスセンスを鍛えるトレーニングができる。

他業種をカンニングして、自分の仕事を成功させる

大人のカンニングはサラリーマンだけに与えられた権利である。老舗時計会社のシチズンに勤めていた著者自身も暢気に会社にぶら下がり、30歳の時にとうとうリストラ予備軍になってしまった。これではだめだと一念発起し、社内ベンチャーを創業し、アウトレットモールにメーカー直販のアウトレットショップをオープンさせた。

その時に参考にしたのが、「スーパーマーケットのカニ缶」だ。なぜならば、スーパーのカニ缶と時計が坪単価という点でとても似ているからだ。缶詰は平べったく小さいので、たくさん重ねることができる。加えて、カニ缶は缶詰の中で特に高い商品だ。即ち、他の缶詰に比べ狭い面積で高い売り上げを期待することができる、坪単価の高い商品なのだ。

そこで著者はカニ缶と似ている時計なら坪単価の高いお店が作れるはずだと閃き、通常20坪で出店するところ10坪で出店するなど坪単価を高くするために様々な工夫を行った。結果、アウトレット事業は大成功。東証一部上場の老舗メーカーにおいて、平社員からグループ最年少の役員になれた。カニ缶を自分の仕事に応用することができたからこそ、ビジネスを成功することができたのである。

【必読ポイント!】大人のカンニングに必要な3ステップ:情報収集力・情報変換力・情報応用力

情報収集力
Wavebreakmedia Ltd/Wavebreak Media/Thinkstock

大人のカンニングに必要なステップの一つ目は、情報をストックする力の「情報収集力」だ。言い換えると、カンニングするには、まずはよい素材(情報)が必要だ。料理と違い、カンニングの素材(情報)は腐らず、鮮度を求められない。何年ストックしてもよいし、いつでも使うことが可能だ。そしていつ使ってもよいように、役に立ちそうな素材を予め収集しておくことがポイントになる。

しかし、ここで大切なのは世の中に溢れている情報のうち、どれが自分のほしい情報なのか、どうすればしっかりキャッチし、活用できるのかを知ることである。この時に最も重要なキーワードは、

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要約公開日 2015.07.20
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