人間はお金だけを目標に何年も働けない。自分の仕事がどのように世の中の役に立ち、自分がどんなときにその仕事の意義を感じるかが重要である。肩書を得ることを目的に働いていると、結果的に肩書を得られない。本物のリーダーは、世の中の役に立つために仕事をしている。
成功するリーダーは、成功する前から、少額でも寄付を続けている。欧米では、社会的に恵まれた地位にある人は、社会に貢献する義務があるという精神(ノブレス・オブリージュ)が浸透しているからだ。寄付をすれば一流の人に近づける。
ハーバードの教授たちは、学生たちに、働き始めたら貯金をするように勧める。ある程度のお金があれば、仕事が自分の倫理や価値観とずれていると感じた時に、卒業できるからだ。
また、ハーバードでは、好きな仕事を追求した方が稼げると教えている。好きなことならば、続けていても苦にならず、得意なことなので、人よりも何倍も速く成果を出すことができるからだ。
優れたリーダーは、限られた資金や人材で数倍、数十倍にビジネスを拡大していく方法を考える。マイケル・ノートン教授は共著書の中で、目に見えない価値のための5つのお金の使い方を挙げ、これを実践すれば幸せを感じることができると述べている。成功するリーダーは、会社でも家庭でもこうしたお金の使い方をしている。
本物のリーダーは、自分の周りにいる人を大切にする。思いやりを示した方があらゆる場面でビジネスがうまくいくことを知っているからだ。また、彼らは難易度の高い仕事を部下に任せている。部下が高いレベルの仕事ができるようになることが、自分の加点にもつながるからだ。そのうえで、部下の仕事が世の中の役に立っていることを部下に繰り返し伝えることが大切である。それによって、部下は自らの価値を再認識し、仕事にやりがいを感じるようになるからだ。
また、優れたリーダーは、各国の文化や慣習の違いを謙虚に受け入れる。一方、偽物のリーダーは、現地のニーズに耳を傾けることなくビジネスを進めようとする。これでは、グローバルビジネスを成功させることはできない。
新しいことに反対する人は、自分に自信がなく、変化に対して恐怖心を抱いていることが多い。恐怖心を希望に変えていくことがリーダーの役目である。イノベーションは多くの人たちのアイデアを組み合わせることによって起こせるものである。リーダーの役割は自分の意見を押し付けることではなく、部下が新しいことに挑戦できるような環境づくりをすることだ。
優れたリーダーは成長しようとする社員を全力で後押しする。偽物のリーダーは、できる部下を自分のライバルだと考える。リーダーの仕事は、部下を生かして昇進させることであり、それがリーダーとしての評価を高めることにつながる。
また、自らが退任しても、ビジョンが根付き、退任後も成長を続ける組織を残すのが一流のリーダーだ。
グローバルビジネスで人を動かす鉄則は、「相手の利害に訴える」こと。相手の利益を素早く察知し、ノ―と言わせない交渉をするのが優れたリーダーである。
「リーダーは自分から部下に対してアドバイスを求め、ネガティブな意見も聞き入れる努力が必要」であると、ロバート・スティーブン・カプラン教授は言う。
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