凹んだ数だけ強くなれる29の法則

しなやかな強さを身につけるレジリエンスの鍛え方
未読
凹んだ数だけ強くなれる29の法則
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しなやかな強さを身につけるレジリエンスの鍛え方
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凹んだ数だけ強くなれる29の法則
出版社
総合法令出版

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出版日
2015年06月06日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

レジリエンスという言葉をご存知だろうか。人間が本来持ち合わせている力強さ、しなやかさのことであり、日本で美徳とされている「我慢強さ」とは異なる。このレジリエンスとは、限られた人が先天的に持っているものではなく、活かす方法を知り練習することによって、誰もが技術として身につけることができるというものだ。本書では29の法則を通して、レジリエンスを鍛える方法が説明されている。

仕事をするうえで、失敗はつきものである。なぜ自分ばかりこんなに失敗をするのかと落ち込んだ経験もあるかもしれないが、様々な分野で「成功者」として活躍している人も逆境に直面することはあり、その時に感じる「絶望感」は、成功者であろうとなかろうと同じである。では、なぜ彼らは成功しているのだろうか。その違いは、困難や失敗の捉え方とその後の行動にある。逆境から逃げたり、恐怖のあまり前へ進めずにいたりすると、却って物事を悪化させることになる。そうしたときに彼らはレジリエンスを発揮し、“できない自分”を一度受け入れ、勇気を出して逆境へ歩み寄り、前へ進むステップを見つけるのである。

見えない力によって毎日を翻弄され自分を見失っている人、失敗続きで自分に自信を持てない人はぜひ、本書を通してレジリエンスへの理解を深め、自然体のしなやかな強さを見つけて欲しい。自分ではどうすることも出来ないと思っていた目の前の壁に対する考え方が変わり、立ち向かう勇気が湧いてくるに違いない。

著者

金森 秀晃
株式会社ZAC代表取締役、メンタルトレーナー、一級キャリア・コンサルティング技能士(国家資格)
1974年東京都生まれ。法政大学卒業後、野村證券本社勤務。母の闘病をきっかけに、「人の困難を希望に変える」ことの重要性に気づいて、転身を決意。人の心と体を診られる治療家を目指し、RMIT大学でカイロプラクティックを習得。その後、東洋医学を学び、2003年株式会社ZACを設立。成功者とうつ病の両方からパターンを研究し、研修講師として年間200件以上の研修をこなす傍ら、心理カウンセラーとしてこれまで1万5000人以上の相談に乗ってきた人間再生のスペシャリスト。2010年、女子サッカー、なでしこJAPANの主力選手が所属するINAC神戸レオネッサのメンタルトレーナーを担当。困難や逆境を成長の糧に生きていくという自身の生き方を投影したレジリエンス研修は、「打たれ弱い」社員に向けて予防的な対策技術を習得できるとして大いに注目を集めている。
趣味は、スイーツ探訪、ダイビング、空手(極真空手・元全日本学生選手権3位)。私塾として「リアルライフクラブ」を主宰し、医者、弁護士や経営者など「人」に携わる職業人の育成から学生、主婦に至るまで、困難を抱えながらも懸命に生きようとする人間の支援に励んでいる。
著書に『できるビジネスマンのための集中力アップ呼吸法』(洋泉社)、『脳がめざめる呼吸術』(幻冬舎新書)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    身のまわりで起きる刺激をプラスのエネルギーに転用する“しなやかさ”がレジリエンスである。レジリエンスは学び練習することによって、誰もが習得できる技術である。
  • 要点
    2
    困難や不安を漠然と捉えずに、気持ちを丁寧に客観視していくと、必ずできることやすべきことが見つかる。小さくても一歩一歩進むことで、状況は変わっていく。
  • 要点
    3
    レジリエンスのカギは適応力にある。常に修正・フィードバックを前提に行動することで、自分の姿勢やプロセスを柔軟に変化させていくことができる。

要約

【必読ポイント!】 レジリエンスとは?

「固さ」ではなく、「しなやかさ」がレジリエンスの本質

日本には「我慢強さ」が美徳とされる文化があるが、人間は誰しもそんなに強くはない。うつ病など、何らかの精神疾患を患っている人が数百万人にものぼる今こそ、刺激をプラスに転用してエネルギーに変える「しなやかさ」が必要とされている。これが「レジリエンス」の本当の力である。

レジリエンスは一般に「復元力」「回復力」などという訳語があてられ、「困難な状況にもかかわらず、しなやかに適応して生き延びる力」というような意味で使われている。研究によって、レジリエンスは、学んで練習を重ねることにより誰もが技術として身につけられることが証明されている。

社会的に成功している人にはレジリエンスの技術がある
RomoloTavani/iStock/Thinkstock

様々な領域で「一流」の活躍をしている人と、仕事や人生までも辞めたくなってしまった人では、たった一つ決定的に違うことがある。それは「困難や失敗の捉え方」である。前者は困難や失敗を成長の糧と解釈し行動を起こし続けるが、後者は失敗や変化を恐れて平穏に生きていきたいという気持ちが強い。

成功者たちは、困難や失敗をしたときに、もちろん 「絶望感」を感じているが、彼らは絶望した自分を客観視して俯瞰で見ることができるのである。そうしたレジリエンスの技術を手に入れているともいえる。

重要なのは階段の最初の一段を見つけて踏み出すこと

絶望の真っ只中で「客観視」をするのは難しく感じるかもしれないが、まずは自分が感じたマイナス的な感情や違和感を丁寧に掘り下げてみるとよい。困難や絶望感には必ず理由があり、そこを掘り下げると、立ちはだかる壁は一段ずつ上ることができる階段だと気づく。実現可能な小さなことを見出す事によって、一歩ずつ前に進むことができる。

他人と過去は変えられなくても、未来と自分は変えられる

うつ状態になりやすい人は、問題や悩みは時間とともに形状が変わるのだと意識できず、現状だけで物事を判断して全ての可能性を遮断してしまう。「時間」と「空間」のコントロールが苦手なのである。

レジリエンスを発揮できる、「時間」をコントロールできる人は、過去に起こった事実は変えられないが、過去の捉え方を変えて他人に対する自分のアプローチを変えれば、未来を変えることが出来ると考える。

「空間」をコントロールできる人は、できること(自分の課題)とできないこと(他の課題)を切り離して、自分にできることに力を注ぐ。

「なぜ」にこだわる
Bigandt_Photography/iStock/Thinkstock

また、成功者たちは、例外なく、なぜ働くのか、なぜ仕事をするのか、といった「なぜ」にこだわる。「なぜ」を追求して行動することにより、固有の生き方があらわれてくる。

レジリエンスを発揮する人は、そうでない人に比べ逆境体験が爆発的に多い。「なぜ」という目的意識を持って行動を起こすと、山のような逆境が訪れるからだ。しかし、自ら獲得した逆境は、訪れるべくして訪れたものであり、自分に乗り越えられないはずがないと考えることができる。だから、レジリエンス・マインドを持った成功者たちは、ある意味逆境慣れしており、新しい逆境がやってきても立ち向かうことができるのだ。

恐怖をコントロールする

思い込みに気づく

レジリエンス・マインドを発揮する人は、困難にぶち当たったときに必ず「思い込みに気づく」という作業を行う。

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要約公開日 2015.08.17
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