起業時に最も不安に感じるのは「お金のこと」である。不安を払拭するには、稼ぐ力を身につけることが必要だ。また、経営者になれば、リアルな数字を把握し、管理する力が必須となる。今のうちから家計簿をつけ、お金の動きを踏まえて収支を合わせる意識を養うとよい。
お金を使う際には、「どれだけのリターンが見込めるか」を考え、投資センスを磨くことも求められる。買う前に、適正な価格と価値であることを見極める習慣をつけるとよい。価値を値踏みするクセは、商品を提供する側になったときにも、お客さん目線で価値を考えるうえで役に立つ。値決めは、経営戦略でも重要なポイントだ。「お客さんが喜んでくれる範囲内の最高の値段」で売ることが望ましい。状況に応じて適正な価格をつける練習が必要だ。
大きな収入を得ると、不安感や罪悪感に襲われることもあるだろう。この不安感は、会社の成長を妨げるメンタルブロックになってしまう。今のうちに大金を稼いでいる人たちについて知っておき、「もっと稼いでもいいのだ」と思えるようになっておきたい。日本では、14世帯に1世帯が億万長者として位置付けられる。世界の稼ぎ頭の収入を知り、自分の収入イメージを高くすることで、実際の収入も伸ばしていくことができる。
起業して成功する人は、失敗を「よい結果を得るためのプロセス」ととらえているため、失敗を恐れることなく行動を起こすことができる。
また、起業家はリスクテイカーでなければならない。多くの人は、行動することによって発生するリスクだけを検討するが、実際には、行動しないことによって発生するリスクも考えることが必要だ。リスクを回避するには、理想の未来を明確にし、そこから逆算してロードマップを描くことをおすすめする。もし3年後に起業するなら、今いる会社をいつ辞め、それまでにどんな経験を積むべきかを具体的な予定に落とし込むとよい。起業に必要な勉強や人脈作り、オフィスなどの設備の確保を、固有名詞や日時とともに書き出していくのだ。このロードマップが具体的になればなるほど、成功の確率が高まっていく。
経営者の仕事は、「3年後、会社が生き残っている理由」をつくることである。
3,400冊以上の要約が楽しめる