ポジティブの教科書
ポジティブの教科書
自分も周りの人も幸運体質になる3つの基本と11の法則
ポジティブの教科書
出版社
主婦の友社
出版日
2008年11月29日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

著者である武田双雲氏は、世代を超えて日本で最も知られた書道家とも言えるだろう。書道家としての活躍もさることながら、数多くの本を著し、テレビにも出演している。彼の著作には、「生き方」「気持ちのありよう」についてのものが多いが、本書にも、「自分や周囲の人が幸福体質になる」ために何が必要でどうすればいいかが書かれている。

読後に印象に残ったことは、著者が常に「自然体」であるということだ。それができるからこそ、いい作品をつくり、いい仕事をして、日々の暮らしに満足できているのであろう。著者が「成功者」であることは紛れもない事実であるが、彼自身にはギラギラするような野心があったわけではなく、歯をくいしばってするような苦労を重ねた様子もない。

むしろ、やりたいと思ったことをやり、常に目の前のことや周囲の人に感謝してきたのだという。実はそこに、人生を成功させる鍵――というよりも、普遍的な成功の法則があると考えられる。何をするにもまずは、「自分がどうするか」が重要であり、それとともに自分と関係する人たちとのつながりにも思いを寄せる必要があるということなのだ。つづられた文章は読みやすく、彼の人柄を感じさせるように温かい。紹介されているポジティブになるための法則も、自分の気持ち次第で実践できることばかりである。

著者

武田 双雲
書道家。1975年、熊本県生まれ。東京理科大学理工学部卒業。3歳より書家である母・武田双葉に師事し、書の道を歩む。大学卒業後、NTT入社。約3年間の勤務を経て書道家として独立。音楽家、彫刻家などさまざまなアーティストとのコラボレーション、 斬新な個展など、独自の創作活動で注目を集める。世界遺産「平泉」、 スーパーコンピュータ「京」をはじめとする多くのロゴ、映画「春の雪」「北の零年」、NHK大河ドラマ「天地人」、テレビ朝日「けものみち」、愛知万博「愛・地球博」のグローバルハウス各ブースほか、数多くの題字を手がける。また、フジロックフェスティバルや、ロシア、スイス、ベルギー、ベトナム、インドネシアなど、世界中から依頼を受け、パフォーマンス書道、書道ワークショップを行っている。2013年には、文化庁より文化交流使の指名を受け、日本大使館主催の文化事業などに参加し、海外に向けて、日本文化の発信を続けている。美術館、ホテルや百貨店などで斬新な個展を開催。また、東京メトロ地下鉄副都心線、明治神宮前駅にパブリックアートとして「希望」の作品を提供。書道教室「ふたばの森」主宰。250名を超える門下生に指導を行っている。著書は20冊を超える。

本書の要点

  • 要点
    1
    感謝をすることで、自分も周りもハッピーになり、いいことが起こるようになる。
  • 要点
    2
    他人を変えるのは難しい。相手を変えたいと思ったら、まず自分が変わることだ。
  • 要点
    3
    「無駄な期待」をしなければイライラが減る。イライラは全面的に否定せず、小さなイライラで上手にガス抜きをし、長引かせないで、自分を変えるチャンスとしてとらえる。
  • 要点
    4
    自分にとって「心地よい」前向きな言葉を使っていると潜在意識がハッピーな言葉に染まる。
  • 要点
    5
    周囲の支えに気づくと、感謝の気持ちとエネルギーが湧いてくる。自分の好きなことに気づくと、いい循環が生まれる。

要約

感謝ととらえ方

僕らが出会う確率

著者の両親は高校時代の同級生で、当時は顔見知り程度だった。両親が20歳のときに、パチンコに負けた父と、彼氏とケンカした母が再会したことが結婚のきっかけ。それがなければ今の著者はいない。

知人夫婦に聞くと、うまくいっていない夫婦は相手が「○○してくれない」と言い、うまくいっている夫婦は、相手が「○○してくれる」と言う。ありえない確率で生まれ、出会い、結婚しているのだから、それを感謝できないほうが不思議だ。否定的な思いは、「○○してくれている」という思いで打ち消そう。

恩返しスタイル
©iStock/CreativaImages

「恩返しスタイル」は、先に感謝をしてしまう感謝法。先に感謝をすることで、先に満たされる。その結果、自分も周囲の人もハッピーになる。書道教室に通う生徒の中にも、これを実践し、ネガティブな言葉を言っていた職場の人が激励してくれたり、やる気がなかった仕事に夢を持てるようになってトップセールスになったりという例がある。

まずは、「今日は、何に恩返ししていこうかな」と小さな声でいいから口にしてみる。恩返しは不満の逆であり、最強である。

とらえ方を変えるだけで人生が変わる

同じような生き方をしているのに、幸せを感じている人とそうでない人がいる。この差は性格や人格、運命ではなく、「とらえ方」にある。例えば、冷たい水が「冷たくて気持ちいい」と思う人もいれば、「冷えすぎて体に悪い」と思う人もいる。

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要約公開日 2015.11.02
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