本書は、老後の生活が心配な独身OLの美紀を主人公とするストーリー仕立てで展開する。
銀行の一般職として働いている美紀は、投資の勉強をするために書店に向かった。帰り際、財布が盗まれたことに気づく。書店で遭遇した外国人の大男を、犯人だと思い込んだ美紀は、彼を追いかけてボコボコにしてしまう。しかし無実であることが発覚し、怪我で入院中の彼のもとにお詫びに向かうと、彼は快く美紀を許してくれた。その男はハサウェイという名前で、バフェットの投資を徹底的に研究してたくさんのお金を稼いだという。
ハサウェイは美紀をゴルフや競馬などに連れていき、バフェットの投資の真髄を、恋愛や結婚、スポーツなどのたとえとともに紹介していく。
投資の重要な原則は、「安く買って高く売る」ことだ。バフェットが最強の投資家であり続けているのは、会社の「定価」を知っており、その値段が高いか安いかをすぐに判断できるからである。定価がわかれば投資の8割はすでに成功したようなものだ。バフェット流で成功するには、定価よりもできるだけ安く買うことが必須条件である。
もちろん投資信託や外国債などの債券にも定価は存在する。しかし投資信託は、金融機関が色々な投資対象を合成した金融商品であるため、定価を知ることは非常に難しい。また外国債は、債券を発行している国家そのものという巨大な対象を研究しなければ定価を算定できない。
また、毎日の株価の変動に一喜一憂する必要はない。日々の株価の動きはバフェットも基本的に無視している。重要なのは投資したい会社の定価を正しく知ることである。株価は振り子のように日々変動しているが、必ず定価を通る瞬間がある。
定価を見定めるには、主婦がスーパーのチラシを分析してお買い得商品を見つけるように、会社案内や決算書から、その企業の収益や売上高、将来の成長性を総合的に判断すればよい。
バフェットの教えによると、市場が混乱して投資家が右往左往しているときこそ大胆に株を買うべきだという。
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