投資の神様

バフェット流投資で、勝ち組投資家になる
未読
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バフェット流投資で、勝ち組投資家になる
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出版社
総合法令出版

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出版日
2015年07月04日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

総資産6兆5000億円を築き、「世界で最も尊敬される投資家」として知られるウォーレン・バフェット。将来性が有望で割安と判断した企業の株を長期にわたって保有するという手法は、日本でも絶大な支持を得ている。しかし、そのシンプルな手法を実践するのは至難の業という声もある。

本書は、バフェット流投資のストーリー仕立ての解説書である。老後が心配な35歳の独身OLが、イギリス人の謎の投資家から、投資の基本とバフェット流の真髄を学ぶというふうに物語が展開していく。バフェットの投資の技術的側面にふれた本は巷にあふれているが、バフェットの真髄について語られた本は非常に希少だといえる。

本書によると、投資の真理は、恋愛や結婚にとても似ているという。「投資を始める前は両眼を開いて相手を品定めし、投資をした後は片目をつぶって相手の欠点を見ないようにする」、「お金に惚れると負け」などなど。本書には、こうした興味深いたとえが数多く登場する。物語を楽しく読み進めるうちに、直感的にバフェットの考え方や株式市場の正しい捉え方を学べるのが本書の魅力である。

NISAや株主優待などで株式投資を始めた方はもちろん、すでに投資のキャリアを積んだ人にとっても、学びの多い一冊である。数々のバフェットのアドバイスは、投資についての情報が錯綜する現在を生き抜くための羅針盤になってくれるはずだ。果たして主人公は投資の神様と両想いになれるのだろうか?

ライター画像
松尾美里

著者

大原 浩(おおはら・ひろし)
GINZAXグローバル経済・投資研究会 代表
株式会社大原創研 代表取締役
1960年静岡県生まれ。1984年同志社大学法学部を卒業後、上田短資(上田ハーロー)に入社。外国為替・インターバンク資金取引などを担当。1989年、フランス国営・クレディ・リヨネ銀行入行。金融先物・デリバティブ・オプションなど先端金融商品を扱う。1994年大原創研を設立して独立。国内外のビジネス・投資に広くかかわり、上場株投資だけでなく、ベンチャー投資なども積極的に行う。『証券新報』の顧問を約7年にわたり務める。現在、月刊『産業新潮』(産業新潮社)に「賢人バフェットに学ぶ投資と経営の成功法則」を長期連載中。
著書は『銀座の投資家が「日本は大丈夫」と断言する理由』『勝ち組投資家は5年単位でマネーを動かす』(いずれもPHP研究所)、『日本株で成功するバフェット流投資術』『企業情報を読み解け!バフェット流〈日本株〉必勝法 永久保有銘柄を見抜く18のポイント』(いずれも日本実業出版社)、『バフェットに学ぶ「永久不滅投資法」』(同友館)他多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    投資の重要な原則は、「安く買って高く売る」ことである。バフェットが最強の投資家であり続けているのは、会社の定価を理解し、株価が高いか安いかをすぐに判断できるからだ。
  • 要点
    2
    バフェットは株価や市場を追いかけない。自分が決めたストライクゾーンに株価が入ってくるまで投資をしないのがバフェット流だ。
  • 要点
    3
    バフェットが投資先を決めるときに重視している、企業の将来性を測る二つの要素は、ブランド力と仕入れ力である。ブランド力とは高く売る力を指し、仕入れ力とは安く仕入れることでコストを抑制する力を指す。

要約

投資の基本原則

本書のストーリー概要

本書は、老後の生活が心配な独身OLの美紀を主人公とするストーリー仕立てで展開する。

銀行の一般職として働いている美紀は、投資の勉強をするために書店に向かった。帰り際、財布が盗まれたことに気づく。書店で遭遇した外国人の大男を、犯人だと思い込んだ美紀は、彼を追いかけてボコボコにしてしまう。しかし無実であることが発覚し、怪我で入院中の彼のもとにお詫びに向かうと、彼は快く美紀を許してくれた。その男はハサウェイという名前で、バフェットの投資を徹底的に研究してたくさんのお金を稼いだという。

ハサウェイは美紀をゴルフや競馬などに連れていき、バフェットの投資の真髄を、恋愛や結婚、スポーツなどのたとえとともに紹介していく。

「安く買って高く売る」
©iStock.com/Rawpixel Ltd

投資の重要な原則は、「安く買って高く売る」ことだ。バフェットが最強の投資家であり続けているのは、会社の「定価」を知っており、その値段が高いか安いかをすぐに判断できるからである。定価がわかれば投資の8割はすでに成功したようなものだ。バフェット流で成功するには、定価よりもできるだけ安く買うことが必須条件である。

もちろん投資信託や外国債などの債券にも定価は存在する。しかし投資信託は、金融機関が色々な投資対象を合成した金融商品であるため、定価を知ることは非常に難しい。また外国債は、債券を発行している国家そのものという巨大な対象を研究しなければ定価を算定できない。

また、毎日の株価の変動に一喜一憂する必要はない。日々の株価の動きはバフェットも基本的に無視している。重要なのは投資したい会社の定価を正しく知ることである。株価は振り子のように日々変動しているが、必ず定価を通る瞬間がある。

定価を見定めるには、主婦がスーパーのチラシを分析してお買い得商品を見つけるように、会社案内や決算書から、その企業の収益や売上高、将来の成長性を総合的に判断すればよい。

結婚と投資の思わぬ共通点

バフェットの教えによると、市場が混乱して投資家が右往左往しているときこそ大胆に株を買うべきだという。

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要約公開日 2015.11.04
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