マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているのか

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マッキンゼーのエリートはノートに何を書いているのか
出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2015年02月27日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

「ノート術」と聞くと、「いかに効率よく、きれいにポイントをまとめるか」という内容が思い浮かぶかもしれない。しかし、本書で紹介するマッキンゼー流ノート術は、巷にあふれるノート術とは一線を画しており、問題解決をするための強力な武器となってくれる。

世界最強のコンサルティング・ファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社した著者は、新人研修のときから、問題解決のための「ノートの取り方、使い方」を徹底的に叩き込まれたという。その要諦は「ノートは過去の記録のためではなく、よい未来をつくるためのツールである」ということだ。そもそも「ノートに書く」という行為は、思考を深め、整理して記憶の定着を促すものなのである。問題解決能力に長けた人は、ノート上で自分の手を動かしながら問題解決の予行、行動を済ませているため、本番でも余裕を持って最速のスピードで成果を上げることができるのだ。よって、紙とペンさえあれば、どんな難問でも瞬時に思考がまとまり、本質を突いた打ち手を見つけられる。これがマッキンゼー流ノート術の真髄だ。

また本書では、ノートの使い方の具体例が写真やイラストとともに豊富に紹介されているので、非常にポイントが理解しやすい。マッキンゼーのプロフェッショナルたちが実践してきたスキルがつまっているので、その効果は推して知るべしである。思考とアウトプットの質を深め、より良い人生を送りたい方には必読の一冊である。マッキンゼー流ノート術の世界へようこそ!

ライター画像
松尾美里

著者

大嶋 祥誉(おおしま さちよ)
センジュヒューマンデザインワークス代表取締役。エグゼクティブ・コーチ、組織開発・人材育成コンサルタント。上智大学外国語学部卒業。米国デューク大学Fuqua School of Business MBA取得。米国シカゴ大学大学院人文科学学科修士課程修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーでは、新規事業のフィージビリティスタディ、全社戦略立案、営業戦略立案などのコンサルティングプロジェクトに従事。その後、ウイリアム・エム・マーサー、ワトソンワイアット、グローバル・ベンチャー・キャピタル、三和総合研究所にて、経営戦略や人材マネジメントへのコンサルティングおよびベンチャー企業支援に携わる。2002年より独立し、エグゼクティブ・コーチング、組織変革コンサルティング、チームビルディングやリーダー開発に従事する。著書に『マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書』『マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書』(共にSBクリエイティブ)『マッキンゼーのエリートが大切にしている39の仕事の習慣』(アスコム)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    マッキンゼー流ノート術では、「仮説を考えながらノートを取ること」「アウトプット志向」「問題解決までのストーリーラインを描くこと」が重要である。
  • 要点
    2
    問題解決においては、イシューを見つけ出す→仮説を立てる→仮説を検証する→検証した仮説からアウトプットをつくるという4つのステップごとにノートを使う。その際は、現場のヒアリングで使用する「ケンブリッジノート」、思考の整理や構造化に向いた「方眼ノート」、そしてプレゼンテーションにフォーカスした「マッキンノート」という3つのノートを使い分ける。

要約

マッキンゼー流プロフェッショナル・ノートの流儀

ノートは、よい未来をつくるためにある

マッキンゼーでは、ノートを問題解決のツールとして活用することを徹底的に教え込まれる。ノートの最大の特徴は、「書く」という行為を伴うことである。書くことは、思考を深め、思考を整理し、記憶の定着を促してくれる。

多くの人は、過去の記録のためのノートに終始してしまっている。しかし、ノートは本来、自分以外の人に知識や知恵を伝えていく「アウトプット」のためにある。今後どうするべきかという未来のビジョンを、根拠のある仮説に基づいてノートに書き出すことで、良い未来をつくることができるのだ。

マッキンゼー流ノート術で大切な3つの心構え
©iStock.com/Wavebreakmedia

問題解決のためにノートを使ってアウトプットを生み出すのが、マッキンゼー流ノート術である。

このノート術で重要なのは、次の3つの心構えである。1つ目は「仮説を考えながらノートを取る」ことだ。真の問題(イシュー)の在りかを突きとめるには、本質的な仮説を意識することが求められる。2つ目は「アウトプット志向」である。自分以外の第三者に対するプレゼンテーションや問いかけ、報告などのアウトプットを意識することが必要だ。3つ目は、「問題解決までのストーリーラインが描かれた現在進行形のノートを書く」ことである。

3つのノートを使い分け

著者が在籍していた当時のマッキンゼーでは、問題解決の流れに沿って、次の3つのノートが使い分けられていた。

1つ目は、情報収集や現場でのヒアリング、インタビューで使用する「ケンブリッジノート」である。リング綴じで7ミリ罫のノートで、ヒアリングした内容をひたすら書き込めるのが特徴だ。ひたすら書く理由は、ヒアリング段階でポイントを絞って自分の思考の枠だけで物事を見るのを防ぐためである。大事なヒントは関係者の「何気ない一言」の中に含まれているものだ。

2つ目は「方眼ノート」である。

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要約公開日 2015.11.11
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