21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由

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21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由
出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2015年08月01日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

本書の「デザイン思考」とは、デザイナーがゼロからイチを生み出すために実践している考え方である。

現在、スタンフォードやハーバードなど米国一流のビジネススクールに通う人たちの間で、「デザイン」の授業の人気が高まっている。MBAの卒業生の進路でも、最近では社会起業など、ゼロからイチをつくりだす創造的な領域が人気だという。その理由は、世界中で変革が求められ、既存のビジネスを立て直すだけでなく、新しい事業を創出する動きが盛んになっているからである。21世紀のビジネスでは、デザイナーのように独自の視点で課題を発見し、創造的に解決する「デザイン思考」によるイノベーションの創出がカギとなる。

本書では、P&Gマーケター出身の著者が、デザインスクールへの留学やソニーデザインセンターでの新規事業の経験から、ビジネスパーソンがデザイン思考を身につけ、実践するためのフレームワークやヒントを体系的に紹介している。デザイナーが学ぶ思考スタイルは、左脳と右脳の両方を活用したハイブリッドな思考法だ。このハイブリッド思考を学ぶことで、知的生産性を大きく上げることができる。

ビジネスパーソンがデザインスクールで学ぶというキャリアの選択肢は、今後確実に増えていくはずだ。本書を通じて、ビジネスとデザインの交差点で生み出される発想の広がりを味わってみてはいかがだろうか。

ライター画像
山下あすみ

著者

佐宗 邦威
biotope(株)代表取締役社長兼チーフイノベーションプロデューサー
イリノイ工科大学デザイン学科修士課程(Master of Design Methods)修了。東京大学法学部卒業後、P&G入社。ファブリーズ、レノアを手がけ、ジレットのブランドマネージャーをつとめた。(株)ヒューマンバリューを経て、ソニー(株)デザインセンターにて前者の新規事業創出プログラム(Sony Seed Acceleration Program)の立ち上げなどに携わった後、独立。
技術シリーズの新規事業化や新規事業立ち上げなど共創型イノベーションプロジェクトのファシリテーション、プロデュースを得意としている。

本書の要点

  • 要点
    1
    「デザイン思考」とは、ゼロからイチを生み出すために、デザイナーのように課題を独自の視点で発見し、創造的に解決する思考法であり、21世紀で活躍する人材になるために重要なスキルとして考えられている。
  • 要点
    2
    「デザイン思考」は、「インプットの質」「発想のジャンプ」「アウトプットの質」という3つの要素から構成されている。また、デザイン、ビジネス、エンジニアリングという3つの要素を協働させ、左脳と右脳の両方をバランスよく活用することを促してくれる。

要約

なぜ今デザイン思考が必要なのか?

ホワイトカラーを取り巻く世界的な潮流

先進国では、社会の成熟化とともに、常にイノベーションを生み出し続けなければならない状況になっている。ホワイトカラーの労働者は、新興国の安く優秀な労働力との競争に直面している。また、人工知能の発達によって、人間がこれまで行ってきた仕事の多くが、機械に代替されるという予測もある。

このような状況で生き残るには、オリジナルの価値をつくりだせる人材になることが必要であり、デザイン思考による創造的問題解決力がますます重要になるといえる。

21世紀に活躍するための必要なスキル

21世紀に生きる人材がグローバルに活躍するためのスキルとして、コミュニケーション、ICTとデジタルリテラシー、意思決定と学習、コラボレーション、創造力とイノベーション、クリティカル思考と問題解決が、教育先進国での「21世紀型スキル」として定義されている。創造力とイノベーションは、とりわけ大事な思考スキルとして取り上げられている。

このような流れから、ハーバードやMITなど一流のMBAにおいても、デザインスクールの学びを取り入れたプログラムが導入されるようになった。欧米のデザインスクールでは、「デザイン、ビジネス、エンジニアリング」の3つの要素が協働することでイノベーションが生まれると考えられている。

左脳と右脳の両方を活用したハイブリッド知的生産術
©iStock.com/Grafner

現在のビジネスにおいては、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングなど、論理が優位となる「左脳モード」が支配しているが、創造力を発揮するためには「右脳モード」も不可欠である。デザインスクールで学ぶ思考スタイルは、左脳と右脳の両方を活用したハイブリッドな思考だ。両方をバランスよく使いながら、自分ならではのユニークな切り口で、「創造(=知的生産)」を日々実践することがデザイン思考の肝となる。

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要約公開日 2016.01.12
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