ロイヤルカスタマーは売上上位顧客だと考える経営者が多いが、実際はそうとは限らない。他社への乗り換えが面倒だから仕方なく使っているという顧客が、上位顧客の半数を占めていることもある。
真のロイヤルカスタマーは、企業を信頼し、継続購入や親しい人への推奨を行う。こうしたファンが増えると、長期継続や口コミによる新規顧客獲得、顧客維持コストの低下だけでなく、顧客の感謝の声による社員の働きがい向上につながる。これが収益の最大化や企業の持続的な成長に寄与するというのだ。
例えば、顧客満足の最大化をめざすソニー損保では、年齢などの条件変更の際に、保険料の返還ができることを顧客に連絡するサービスを実施している。顧客が納得して支払ったお金、つまり良い売上だけを追求しようという姿勢が、顧客満足度の高さや、ダイレクト保険で業界ナンバーワンという実績につながっている。
本書では、企業や商品への愛着や信頼を感じてくれるロイヤルカスタマーの創出をめざすことを「顧客ロイヤルティ経営」と定義する。
ロイヤルカスタマーを効果的に生み出すには、次の2つのポイントに留意するとよい。
3,400冊以上の要約が楽しめる