3年後、転職する人、起業する人、会社に残る人

未読
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3年後、転職する人、起業する人、会社に残る人
出版社
クロスメディア・パブリッシング
出版日
2015年08月04日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

働いている人の多くは、「自分が本当に好きな仕事をしたい」「自分で会社を興したい」「さらにいい仕事をしたい」など、向上心を持っていることだろう。こうした上昇志向やポジティブな意識を現実にしていくために、「転職をする人」「起業する人」「現在の会社に残ってトップを目指す人」はそれぞれに異なったスタイルでキャリアを積んでいかなければならない。

本書は、これら3つの立場でビジネスのキャリアをどのように積んでいけばいいのか、方向転換をするのはどうしたらいいのかを具体的に教えてくれる。将来に向けてキャリアを描こうとしている現在20代、30代の人であれば、まずは取り組んできた仕事の棚卸をして、自分にはどんなことができるのかを振り返り、客観視してみることが必要だと著者は説く。さらに、転職であれ、起業するのであれ、現在の会社で勤め上げるのであれ、この先、40代、50代で「なりたい姿」「目標とすべき姿」をイメージすることも不可欠だと言う。

こうした長い目で見るビジョンは、起業して経営者になる人だけに必要なものであると感じがちだ。しかし、転職であれば、「会社を変わり、その先に何をどうしていくのか」、会社に残るのであれば、「この先続く会社人生において、どんな立場で、何をしていくのか」ということを見据えなければ、それぞれの立場における「主流」にはなれないのである。将来に向けて夢や目標を持ちつつ、迷いや不安を感じているビジネスパーソンにとって参考になる一冊だ。

著者

佐藤 文男
1960年東京生まれ。1984年に一橋大学法学部卒業後、日商岩井株式会社(総合商社/現在双日株式会社)、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社(外資系証券/現在シティグループ証券株式会社)、株式会社ブリヂストン(メーカー)等、異業種において人事(採用)業務及び営業(マーケティング)を中心にキャリアを積み、1997年より人材紹介(スカウト)ビジネスの世界に入る。2003年に佐藤人材・サーチ株式会社を設立する。2013年3月に佐藤人材・サーチ株式会社が第10期を終了すると同時に2013年4月より海外のシンガポールに拠点を移し人材紹介ビジネスの研鑽を積む。2014年にシンガポールから帰国。著書は共著も含めて16冊。近著に『35歳から出世する人、しない人』『なぜあなたは、間違った人を採ってしまったのか?』(クロスメディア・パブリッシング刊)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    転職は目先だけでなく、40代、50代をイメージした上で行う。
  • 要点
    2
    起業を考えているなら、自分が起業に向いているタイプかどうかを検証する。特に「リーダーシップ」と「人望」は重要なポイントだ。
  • 要点
    3
    会社に残る人は、「最終的には社長や役員、エクゼクティブ・スペシャリスト(専門家)」を目指し、年齢に応じてどうしたいかをイメージする。
  • 要点
    4
    仕事で成功するために、「転職」「起業」「会社に残る」のそれぞれに必要なスキルを認識し、選ぶ道に必要なスキルを自分のものにしたい。

要約

転職する人の人生戦略

転職で自分がどういうステージに上がるか
MarkgrafAve/iStock/Thinkstock

「転職で階段を昇る」というプラスの意味がないと転職は成功しない。転職で専門性を高めるか、マネジメントに近づくか、どういったステージに上がるのかを考える。30代で転職するなら、「その転職によってある程度、人生戦略の方向性が決まる」という認識を持つべきだろう。

転職を考える際は、「職種」「業種」「勤務地」「種類」の4つを考えて方向性を固めていく。「職種」に関しては、今営業をしている人であれば、引き続き営業を続けたいのか、マーケティングに移りたいのか、あるいは商品開発をしたいのか、等を検討した上で転職を考えるべきである。「業種」に関しても、今いる業種に留まるのか、別の業種にチャレンジするのか慎重に考えよう。「勤務地」は地方・海外も含めて考えたい。企業の「種類」は、思い切ってベンチャーに飛び込むのか、外資系企業にチャレンジするのか等、幅広い選択肢を検討すべきである。

転職活動に際しては、半年から1年はじっくりと考え、転職のキャリアアップ戦略を練ることが理想的である。

40代、50代もイメージ

20代、30代の転職においては、40代、50代をイメージしておくことが必要だ。つまり、できるだけ計画的に、自分がどういう人生を歩んでいくかで戦略を組むことが肝要である。周囲に転職を経験した人がいれば、「転職はどんなものだった?」「どういう風にして転職活動をした?」というように、具体的に話を聞いてみると参考になるだろう。

転職回数は、20代でMAX1回、30代でのべ回数MAX3回を目安に考えると良い。在籍期間が3年未満だと、本当に成果のある仕事をしたのかを疑われることもあるだろう。3年未満の短い転職、いわゆる「細切れ転職」を繰り返していると、「ジョブホッパー」に見なされがちである。若いうちに短期間で転職を繰り返して履歴書を汚すことは避けておくべきだろう。

起業する人の人生戦略

「起業向きかどうか」が重要
Rawpixel Ltd/iStock/Thinkstock

「0から1をつくる」起業は、雇われ社長とは異なる次元の仕事である。日本では起業に対する世間の評価は一般的には低いように感じられる。

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要約公開日 2016.03.10
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