楽しく生きるには、日頃から「少しだけチャレンジングなこと」や新しいこと、楽しくて意義があることに取り組むのが重要である。
ミハイ・チクセントミハイ教授の『フロー体験 喜びの現象学』によると、人間が究極的に「楽しさ」を感じている状態は、「自分の能力に見合った、ちょうどよい難易度の課題にチャレンジしているとき」だという。この無上の喜びを感じる状態を、教授は「フロー」と名づけた。フロー状態になる機会を増やすには、例えば「いつもより5分だけ早く起きる」など、普段より少しハードルが高いことに挑戦することがおすすめだ。
ポジティブ心理学の創始者、マーティン・セリグマンは著書『オプティミストはなぜ成功するか』の中で、様々な実験や統計調査から、次のような知見にたどり着いた。それは、学校の成績や営業実績、選挙の得票率、寿命などの面で、悲観主義者(ペシミスト)よりも楽観主義者(オプティミスト)のほうが良い結果を残す、ということである。
では楽観主義になるにはどうしたらいいのか。セリグマンは悲観的な物の見方を変えるために、「ABCDEモデル」という手法を紹介している。まずは落ち込んだときに「困った状況(Adversity)」を書き出し、そのとき抱いた「思い(Belief)」、「その結果行ったこと(Consequence)」を書く。つづいて「思い」に対し、「別の考え方はできないか?」「それは本当に意味があるか?」「根拠があるか?」などと、「反論(Disputation)」することで、自分自身を「元気づける(Energization)」という流れだ。
このように、悲観的になりそうなときには、自分に「突っ込み」を入れることで、くよくよ悩む必要がないことに気づき、すぐに立ち直ることができる。
悩みを抱えたときは、過去にピンチを切り抜けたときを思い出したり、今後起こりうる最悪の事態を覚悟したりすることで、冷静に現状に対処できるようになる。
世界ナンバー1コーチの異名をとるアンソニー・ロビンズ。彼は、ビル清掃をしながら、17歳から2年間で約700冊の成功哲学や心理学に関する本を読みあさり、24歳で億万長者の仲間入りを果たした伝説的な人物である。
彼の著書『小さな自分で満足するな』の中で、「絶望から抜け出すためのステップ」が紹介されている。
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