SUPER BOSS (スーパーボス)

突出した人を見つけて育てる最強指導者の戦略
未読
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おすすめポイント

オラクル社を創業したラリー・エリソンやカリスマデザイナーのラルフ・ローレン、ジャズの帝王として名高いマイルス・デイビス。活躍の領域もタイプも十人十色だが、彼らには一つの共通点がある。それは、突出した人を発掘して育てる最強指導者、「スーパーボス」であるということだ。

リーダーシップ研究の権威である著者は、10年の歳月をかけ、綿密なインタビューにより、偉大な経営者、シェフ、アメフト監督、指揮者などを調査してきた。そこで浮かび上がってきたスーパーボス像は、並外れた情熱を持ち、逸材を惹きつける「才能の磁石」であり、高い目標を設定して、部下に限界を超えさせるというものだ。

なぜ彼らは、有能な人材を次々に育てられるのか? 本書は、その答えをスーパーボスのマインドセット、哲学、テクニックとして提示する。そして、人のやる気を引き出し、本領を発揮させる方法について、従来の人材育成の常識を覆していく。

本書は、ボス個人の特徴と原動力を解き明かし、それが誰にでも学びとれる「行動」にまで落とし込んだ点で、類書とは一線を画している。GE会長兼CEOのジェフリー・イメルトに「部下の能力を最大化する戦略を記したリーダーの教科書」と言わしめたのも頷ける。リーダーや管理職が本書を読めば、チームの創造性や業績を高める方法を学べる。そしてスーパーボスの見分け方、キャリアを発展させる秘訣を知ることができるだろう。リーダーシップと人材育成の新たなバイブルとして、本書が読み継がれることを心から願う。

ライター画像
松尾美里

著者

シドニー・フィンケルシュタイン
ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネス、スティーブン・ロス経営学教授。同スクールのリーダーシップ研究所の所長も務める。世界中で上級幹部向けにコンサルティングと講演活動をしているほか、能力開発、コーポレートガバナンス、失敗学、成長戦略に力点を置いてエグゼクティブコーチングを行っている。ウォール・ストリート・ジャーナルのベストセラー『名経営者が、なぜ失敗するのか?』(日経BP社)をはじめ、これまでに19冊の著書がある。2015年には、リーダーシップ思想家のランキングとして世界でもっとも権威のあるThinkers 50で41位に選ばれた。

本書の要点

  • 要点
    1
    どの業界にも、有能な人材を惹きつけ、彼らにチャレンジングな業務を積極的に任せ、指導とサポートを惜しまず、限界を超えさせることで、一流人材を輩出し続ける「スーパーボス」がいる。本書ではスーパーボスの特徴と原動力、誰にでも学びとれる「行動」を解き明かしていく。
  • 要点
    2
    スーパーボスには、情熱を追求し、それが周囲に伝播する「因習打破主義者」、勝利を至上命題とし、部下に能力発揮を求める「栄誉あるろくでなし」、部下の成功を心の底から気にかけ、積極的にサポートする「養育者」の3タイプがある。

要約

【必読ポイント!】 スーパーボスの3つのタイプ

業界きっての才能養成者とは?

優れた人材の採用や育成に悩む組織やチームが多い中、並外れた一流人材を輩出し続けるスーパーボスとは、どんな特徴と原動力を備えた人物なのだろうか。

スーパーボスの実例として、フィラデルフィア・インクワイアラー紙を起死回生させた伝説の編集長、ジーン・ロバーツが挙げられる。彼は新聞界きっての才能養成者だ。才能を持つ人材に限界を超えさせ、部下になった人間すべてを一流に育てるシステムをつくった。チャレンジングな業務を積極的に任せ、指導とサポートを惜しまず、部下自らにクリエイティブな決定を下すように促す。ロバーツのもとから巣立った記者の多くは、アメリカの報道界で確固たる地位を築いている。そして彼の薫陶を受けた人物は、彼をリーダーとして尊敬し、崇拝している。

このような才能養成者は、あらゆる業界に生息する。彼らはメンバーの才能を引き出すために、やる気とインスピレーションとチャンスを与え、親身な指導によりイノベーションを起こしていく。よって有能な人材が自然と惹きつけられるのだ。

どんな地位や職種の人であっても、スーパーボスを見つけ出すことは非常に重要だ。部下を指導する立場なら、スーパーボスをロールモデルにして、最高のチームをつくることができる。また、社会に出たばかりの人は、スーパーボスのもとで働くチャンスを逃さないようにするとよいだろう。

因習打破主義者、栄誉あるろくでなし、養育者
YakobchukOlena/iStock/Thinkstock

スーパーボスとなる人は、出身国から、人種、社会的背景、性格に至るまで実に多彩だ。しかし、彼らにも共通点はあり、指導者として、次の3タイプにはっきりと分かれることが判明した。

1つ目のタイプは、仕事への情熱を追求する中で、その情熱が部下に伝播していくという芸術家肌の「因習打破主義者」である。例えば、ジャズの帝王マイルス・デイビスは、若手を育成することよりも、若手との協働を自身がミュージシャンとして成長する糧にすることを望んでいた。それに共感した若手が、デイビスの創造のビジョンと表現力を学びたいと殺到したのである。

2つ目のタイプは、勝利を至上命題とし、部下にこれまで以上の能力を発揮させようと叱咤する「栄誉あるろくでなし」だ。

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要約公開日 2016.04.05
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