モーニングピッチとは、毎週木曜日の朝に新宿で行われている、大企業とベンチャー企業のマッチングを目的としたビジネスイベントである。2013年に始まり、現在はトーマツ ベンチャーサポートと、野村証券 の共催となっている。
毎回テーマが設定され、4~6人のベンチャー企業経営者がプレゼンターとなり、4分間のピッチを行う。観客は主に大企業の新規事業の担当者や、そのテーマに関連した担当者であり、質疑応答の時間やその後の名刺交換まで含め、およそ2時間で解散という流れだ。
このような場が生まれた背景には、ベンチャー企業と大企業の間にあまりにも接点がないという問題意識があった。ベンチャー企業は身軽に新しい事業に取り組むことができるが、それを実現させるための基盤が安定していないことが多い。逆に、大企業は自前主義で内部からイノベーションを起こすことに限界を感じている。双方の事業提携を生み出すプラットフォームを創り出し、イノベーションの誕生に繋げたいという思いから、モーニングピッチが誕生した。
モーニングピッチの開始時刻が朝の7時に設定されている理由は2つある。1つ目は、大企業の社員が就業時間前であれば参加しやすいからだ。2つ目は、早朝に開催されるイベントに足を運ぶ企業というのは、それだけ有望なベンチャー企業の発掘に熱心だからである。また、登壇するプレゼンターも、運営側が3~6ヶ月かけて厳選しており、イベントの質の高さを担保する仕組みになっている。
これまで、600社以上の有望なベンチャー企業の経営者が登壇しており、大企業やベンチャーキャピタリストたちとのマッチングが行われてきた。現在、モーニングピッチはベンチャー起業家たちの「登竜門」として位置づけられており、年に一度、その年で最も有望なベンチャー企業を決めるコンテストも行われている。
では、大企業とベンチャー企業という、2つの文化が交わる場面において、それぞれの企業はどのようなことに気をつけなければならないだろうか。
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