「吾十有五(われじゅうゆうご)にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知り、六十にして耳順(したが)い、七十にして心の欲する所に従えども、矩(のり)を踰(こ)えず」(為政)
これは、『論語』における非常に著名な一節であり、人生の節目に対する孔子の考え方である。読者が自分の夢や今後の人生、生き方をあらためて見直し、「人生のグランドデザイン」を再構築するのに非常に参考になる。
著者の皆木氏は40歳ごろはまだまだ惑っていた。しかし、めざしていたプロ経営者となるべく、41歳で退路を断って経営コンサルタントとして独立した。順調なスタートを切ることができたが、停滞や紆余曲折も経験した。しかし、『論語』で説かれている「利他の心」と「素直な心」を持って前進しようという思いを失わず、現在に至っている。それを支えたのは、孔子が重要視していた、「我以外皆師」として積極的に学ぼうとする姿勢だった。
人生の折り返し地点である40歳のときには、ゼロベースで人生のグランドデザインを考えることが重要である。志や人生の目的、哲学などを再点検する「人生の洗濯」をして、決断を下したら、「天命を信じて人事を尽くす」ことだ。
「知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼(おそ)れず」(子罕)
これは、『論語』で何度も登場する「知」の記述の中で、最も有名な文章の一つである。惑わないほどの知者は、
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