信頼されるリーダーになるためには、まず自分を突き動かしている信念を自覚しなければならない。そして、信念を飾らずに周囲に伝えるべきであり、そのためには自分の内面と深く向き合う必要がある。誰かの書いた言葉で代用しているだけでは不十分なのだ。
「リーダーは、自身がもっとも大切だと思う原則に則って他者を導いてはじめて、本物のリーダーとなる」と著者は語る。自分が何者なのかを自分の言葉で表すことで、価値観と信条をメンバーに授けることができるのである。
また、メンバーを理解し、全員が共有できる価値観を築くことも大切だ。すべての価値観を一致させる必要はないが、根本的な部分では通じあっていなければならない。共通の価値観があるからこそ、メンバー全員が生産的で心地よい職場環境を築くことができる。
実際のところ、共通の価値観を土台にした強い企業文化を持つ組織は、そうでない組織と比べ、はるかに大きな成功を収めている。組織の価値観と、メンバーそれぞれの価値観が一致しているかどうかを定期的に確認するほうがいい。
すぐれたリーダーになるためには、自らの価値観を表明するだけでなく、それを行動で示さなければならない。リーダーの使命は組織における共通の価値観や基準を外に向かって体現することだ。リーダーのあらゆる行動は、周囲に対する強いシグナルとなる。言行一致ほど難しいことはないが、だからこそリーダーは自分の選択と行動に十分な注意を払うべきだ。
最終的には、組織内の全員がロールモデルとなり、言葉と行動が一致することが望ましい。リーダーの仕事は、メンバーに約束を守らせることである。手本を示すだけでなく、コーチとしてその実践方法を伝えなければならない。メンバーに何を期待しているのかを丁寧に説明することで、望ましい行動が繰り返される環境をつくりあげるのである。
ある調査によると、「先見の明」は、ついていきたいリーダーの持つ第
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