ビジネスにおけるリサーチには、「目的の確認」「リサーチプランの設計」「リサーチの実行」「アウトプット化」という4つのステップがある。
第一に行うべきは「目的の確認」である。目的意識を持たず興味の赴くままにリサーチを進めると、いざ結果をまとめるタイミングになって「いろいろ知識は溜まったけれど、肝心のことがよくわからない」という事態に陥ってしまう。それを避けるためにも、リサーチをする際には必ず「何のためにリサーチをしているのか」という目的意識を持つ必要がある。
そのためにはまず、何を知りたいかを考える前に、そもそもどんな課題を解決したいのかという「答えるべき問い」をはっきりさせておくべきだ。例えば上司から「中国の飲食店市場を調べてくれ」と指示された場合、その上司の本当の目的が何なのかを真っ先に考えなければならない。中国の飲食店経営に乗り出したいのか、食材の新しい取引先を見つけたいのかによって、リサーチすべき内容が大きく変わってくる。可能な限り最初の段階で「答えるべき問い」を絞り込むことが、リサーチを成功させるポイントになる。
次に、その企画が現在どの段階にいるのかについて認識しておく必要がある。まだ全体像を把握しようとしている段階なのか、もう仮説立案の段階に移っているのか、あるいはすでに仮説を検証する段階なのかで、リサーチの目的は変わってくる。
まだ着手したばかりの段階であれば、その後の本格的なリサーチで得る情報を正しく解釈するための基礎情報を得ることがリサーチの目的となる。この段階では企業のホームページなどですぐに取得できる情報をざっと読みこむ程度にとどめ、まずは全体観を把握するよう努めたほうがいい。
仮説を打ち立てる段階では、それぞれの情報を比較しながら、調べるべきポイントを絞ることがリサーチの目的だ。多くの情報の中から自分なりの仮説を組み立て、深くリサーチすべき対象を見つけ出すことが、この段階では求められている。
仮説ができたら、それが
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