食べる量が変わらないのに昔より太りやすいと感じる大きな原因の1つは、基礎代謝と活動代謝の低下だ。基礎代謝とは、何もせずに寝ているだけでも生命を維持するために消費されるエネルギーのことで、主に内臓や筋肉で消費される。一方、活動代謝とは、日常生活や運動で消費されるエネルギーを指し、ライフスタイルによって大きく変わってくる。
基礎代謝は30代ぐらいから急激に減りはじめる。また、活動代謝も加齢により、運動する機会が少なくなるため、同様に減ってしまう。このように消費エネルギーが落ちているにもかかわらず、摂取カロリーを昔から変えないと、中年太りにつながってしまう。
さらに、男性の場合は筋肉の衰えにも注意したい。筋力は40代前後から衰え始め、50代から急激に低下する。そうなると体重に変化がなくても筋肉量が減り、体脂肪量が増えることになる。筋肉が体脂肪に変わっても、何も意識しなければ太るのは当然である。年相応の食生活を意識するべきだ。
運動をして消費カロリーを増やすのは大切なことだが、運動だけでやせるのは不可能である。たとえば、おにぎり1個分のカロリーを消費するには、約1時間のウォーキングが必要になってしまう。運動していることを免罪符に、食生活を変えないという考え方は通用しない。仮にそれでやせたとしても、運動をやめればすぐに太ってしまうだろう。本当にやせたければ、食事の量を見直して摂取カロリーを減らすことが必須なのだ。
最近の研究では基礎代謝の8割が内臓によるものだとわかっている。筋トレは体型をよく見せるために一定の効果があるが、基礎代謝を上げるためには、あまり意味がないと覚えておこう。
健康的にダイエットするためには、なによりも体脂肪を減らすことを優先させるべきだ。ダイエットとはそもそも、健康のために食事を調整し、体重を適正なものにすることである。短期間に体重を落とすことを目的にせず、5年後、10年後の健康を見据えたほうがいい。そのためには、ゆっくりと長い期間で体重を落とすことが大切である。
急激な減量を行うと、筋肉量が大きく減ってしまう。
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