「女性の部下は扱いにくい」。
女性部下を抱える職場で男性の上司がそろって口にするのがこの言葉なのだという。女性に必要以上に気をつかい、職場での活用どころか、はれもののように扱ってしまうこともある。
「仕事を任せたいのにイヤがられる」、「責めていないのに泣かれてしまった」、「何かとしつこい、納得できるまで譲らない」、など、読者の中にも似た悩みや困った経験を持つ人がいるかもしれない。
こうした不満の根本原因を、著者は「男と女ではコミュニケーションのスタイルが大きく違う」からだと解説する。上司を困らせたいという嫌がらせではないのだ。著者の分析によると、女性は基本的に感受性が強く、自分に自信のない傾向がある。そして、女性同士で派閥をつくりたがったり、足を引っ張り合ったりすることもある。
これは、女性が置かれてきた社会構造が少なからず関係している。男性から「選ばれる」立場に長くあったことが、彼女たちのメンタルに影響を与えているのだ。また、女性が不機嫌になるときには、必ず「わかってほしい」、「伝わってほしい」という思いがある。女性は男性よりも「察する力」に長けている分、自分と同じように相手にも「こちらのことを察してほしい」という思いがある。女性をマネジメントする上では、女性の弱みをなくそうとするのではなく、強みにフォーカスして活かすことが重要となる。
それでは、具体的に女性は男性上司のどのような言動にイラっときているのか。タイトルにもなっている「女性は気がきくね」という一言を取り上げてみよう。
著者によると、下手な褒め言葉が、関係性を悪化させるきっかけになるという。ここで地雷となっているのは「女性」という言葉だ。女性全体を褒めていることになり、個人を認めたことにならない。女性の承認欲求を満たすためには「○○さんは気がきくね」と名前を添えるなど、個人を意識した伝え方を心がける必要がある。
また、「で、結論は? 要するに何?」といった答えを急かす言葉も、女性には地雷である。
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