コリンという人物は、持ち物がたった51個だという。彼は生活に本当の意味で価値を持たせてくれる物だけに絞っているのだ。
私たちは所有物を修理したり他人に盗まれないように守ったりするなど、常に所有物に対して注意を払って生活している。つまり、持ち物が多ければ多いほど、それなりの労力を使わなければいけない。ある物を所有すれば、それに付属する物もほしくなる。テレビにはDVDプレイヤー、車庫には新車というように。何かを求めれば、終わりのないゴールに向かって走り続ける必要があり、欲求が満たされることはない。
それとは反対に、物に翻弄されず、最小限の物を所有して暮らす「ミニマリズム」という生き方がある。ミニマリストでいれば、多くの物を所有する時に生じる心の負荷を感じることなく、もっと自由な気持ちで生活することができるのだ。
ミニマリズムの効果は、単に持ち物を減らせるだけではない。余分な物がなくなることで視界が広がり、一歩引いた目線から自分の生活を見渡す余裕が手に入る。そして、身の回りの大切なことと、そうでないことを見分けられるようになるのだ。
ミニマリズムは、ダラダラと続けている人間関係や悪い習慣、無駄な消費など、生きていく上での邪魔な障害も取り除いてくれる。無駄な物がなくなれば、自分が本当にやりたいことに集中できる。さらには、学ぶ意欲が高まり、フットワークが軽くなって、もっとリスクを冒せるようになるのだ。
ミニマリストになるには、少し勇気がいるかもしれない。
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