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偉大な指揮者に学ぶ無知のリーダーシップの表紙

偉大な指揮者に学ぶ無知のリーダーシップ

メンバーの隠れた能力を引き出す匠技


本書の要点

  • 新たな発見に出会うためには、自らの持つ知識を一旦手放し、「無知」の状態になる必要がある。

  • 「ギャップ」は大きなイノベーションの可能性を与えてくれる。ギャップを閉ざして安全ばかりを求めていては、新しい発見は生まれない。

  • リーダーは自分の意見を押しつけるのではなく、「メインリスナー」に徹するべきだ。そして周囲の意見に耳を傾けながら、対話を促すよう心がけるといい。

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【必読ポイント!】無知から生まれるイノベーション

「無知」が新たな成果を生む

何かの探求を始める瞬間は、持っている知識を一旦手放し、未知の領域を楽しむ心構えを持つべきである。それこそが、知識に縛られた状態では考えつかない、新しいアイディアに出会える方法だからだ。

また、無知であることは、他者を導くときにも大きな効果を発揮する。優れた教師は、あえて生徒に自分の知識を教えず、生徒が自ら学び、発見するための手助けに尽力するものである。その結果、教師ですら知らない知識を、生徒が身につけることだってある。

無知であることは一見恥ずかしいことのように映るかもしれない。しかし、それこそが音楽においてもビジネスにおいても、新たなイノベーションを生み出す源泉なのである。

イノベーションの源は「ギャップ」にある

CreativaImages/iStock/Thinkstock

多くのリーダーは、「ギャップ」を好まないものだ。それが部下たちとの間に生まれたものにせよ、顧客との間に生まれたものにせよ、ギャップは「食い違い」や「余白」という厄介なものと見なされ、忌避される傾向にある。

だが、新たな発見やイノベーションを生み出すためには、ギャップを正しく認識し、受け入れることが必要不可欠である。自分の理想とするものと、目の前にある現実との間に距離、すなわちギャップがあるからこそ、想像力は刺激されるのだ。

新しく革新的なものを目の前にすると、多くの人は自分とのギャップを感じ取り、扱い方がわからず、ついには否定するようになってしまう。だからこそ、リーダーシップを発揮する人間の役割が重要になる。リーダーの仕事は、それぞれが意味探求のプロセスを開始できるよう、手助けすることにほかならない。

リーダーは「メインリスナー」になるべし

一般的な話し合いだと、リーダーが話し手として能動的に話し、残りが受動的な聞き手にまわるということが多い。このような形式は、安全で予定調和な世界をもたらしてくれるが、ある意味で窮屈でもある。

一方、リーダーが話し手ではなく、積極的に「メインリスナー」になるよう心がけると、さまざまな意見が飛び出してくる。話を聞いてもらえるという安心感が生まれることで、新たな意見が発表しやすくなるからだ。その結果、話し合いは活発で有意義なものとなり、参加者それぞれが価値のある学びを得ることができる。

この時、ただひたすら相手の意見を聞くだけでなく、対話をするという意識を持つことが重要である。良い対話を行うためには、深い感受性を養い、相手に最大限の関心を払うことが必要だ。そして、相手が言外ににおわす意味を嗅ぎ取り、深い領域でのコミュニケーションを試みるのである。

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偉大な指揮者達から学ぶリーダーシップ

リーダーシップには様々なスタイルがある

steauarosie/iStock/Thinkstock

指揮者は、演奏の技術に関するルールがきちんと遵守させる責任があるのと同時に、高い次元でメッセージを解釈し、それを伝達するという創造の役割を担っている。とはいえ、同時進行する多種多様な出来事に一つ一つ対処するのは難しい。また、壮大なビジョンを描いていても、それが現実的なものでなければ、すぐに統制を失ってしまう。

ディティールに溺れず、ユートピアを探して迷わないようにするためには、マネジメントとビジョンを併せ持つリーダーシップが必要だ。そのためには、送るべきメッセージとその伝え方の両方を理解しなければならない。

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要約公開日 2016.08.19
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