「自分の仕事とまったく関係のないことを次から次へと頼まれるようになり、自分の仕事ができない。うまく優先順位をつけるにはどうしたらいいですか?」という悩みに対して、著者は、望ましい優先順位を守るための3つの方法を提案する。
1つ目の方法は、何か頼みごとをされたら、「来週だったらどうするか」を考えてみることだ。予定表を見て、新しい予定を入れるために、他の約束を取り消すべきかどうかを考えるといい。他の約束より優先するつもりがないなら、断ったほうが無難である。
2つ目の方法は、何か頼みごとをされたら、その日に動かせない予定が入っていたことに気づいたと想像してみることだ。例えば、その日は出張だったと気づいたことにする。そして、その時、自分がどう感じるかに注目する。予定が入っていると想定した時、頼みごとを引き受けられなくて残念だと感じるようなら、頼みごとを引き受ければいい。逆に、気持ちがホッとするなら、頼みごとを断ればいい。
3つ目の方法は、キャンセルされた時に感じる高揚感(キャンセル・エレーション)を使うことである。頼みごとを引き受けた後、キャンセルになったと想像してみよう。想像した時に喜びを感じるようなら、最初から断るべきである。
転職に関しての質問が著者に寄せられた。「僕は仕事をやめるべきかどうか迷っている。今の仕事には不満だけど、もう8年も勤めている会社だ。それに、報酬はいいし、年に数週間の休暇に、年金まである。新しい仕事で再出発するのは不安も大きいし、今より満足できるかわからない。今の仕事を続けた方がいいのか、新天地で充実感を求めるべきなのか、アドバイスをもらえないかな?」というものだ。
著者の提案は、不満の原因がどこにあるのかを、まず自分自身に問い直すべきというものである。不満の原因が仕事にあるなら、転職すればよりよい未来に近づくことができるし、逆に不満の原因が自分自身にあるなら、転職したとしてもなにも変わらないからだ。
ただし、うまく判別するのはかなり難しい。長年、同じ環境で働いている人が、違う環境、違う仕事をしたらどうなるかを示す証拠がない場合は、なおさら判別が難しくなる。
そこで、著者は、質問者に対して、3週間ほど休暇を取り、転職を検討しているタイプの会社でボランティアをすることを薦めている。そうすることで、今の仕事で喜びを感じられない原因が明確になるはずだ。転職を検討するために3週間の休暇を費やすのを「もったいない」と感じるようなら、今の仕事にそこまでの不満はないということである。その場合、働き続けたほうがよいだろう。
娘の新しい彼氏が気に入らない母親から、「娘がぐうたらでつまらない男と付き合い始めました。娘に釣り合うような男でないことを、やんわりと娘に伝える方法はないものでしょうか?」という相談が寄せられた。
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