貧しい人の家は、例外なく物が多い。安くて良さそうな物があると、我慢できずについ買ってしまうからだ。
また、バーゲンセールに突撃する人々をよく見てみると、闘争心やコンプレックスを剥き出しにして、殺気立っている人が多いことがわかる。あのような、物や人口の密度が高い場所には、不幸が生じやすいものだ。
一方、年収が上がり、役職が上がってくると、次第に物は少なくなっていく。なぜなら、自分に自信が出てくると、物に依存しなくなるからである。
物が多いということは、物に依存しているということであり、自分に自信がない証拠だ。まず大切なのは、物が多いということは恥ずかしいことなのだと認識することなのである。
成功し続けている人たちの共通点は、仕事のスピードが速いこと、そしてそれを可能にさせる環境が整っていることである。最高のスピードを出すための環境を構築するためなら、いくら投資してもかまわない。
「自分の最高のスピードを出せる環境」とはつまり、余計な物がなく、自分の使いやすいように片づけられているということである。机の上が物であふれていたり、パソコンの画面上が汚かったりすると、余計な動きが生じる。その無駄をなくすことこそが成功への道だ。無駄な物がなく、無駄な動きが生まれない研ぎ澄まされた環境が、最高のパフォーマンスを生むのである。
気がついたら身のまわりが物だらけになってしまう人がいる。自分としてはそんなに物を買っているつもりはないのに、知らず知らずのうちに買ってしまっている。それはもはや一種の病気である。
そんな人にオススメなのは、見える物ではなく、見えない知恵に投資することだ。勉強にたいする投資はその筆頭である。どんなことでも10年も続ければ、自己紹介で「ちょっとやっています」と胸を張ることができるはずだ。
また、本やセミナーへの投資も有効である。自分の持っているお金を、知恵というかたちで、自分の頭に入れてしまおう。そうすれば、物も増えないし、誰にも盗まれない。本当に価値ある投資対象は、目に見えない物なのである。
その他だと、株に投資することも立派な投資だ。株に投資すれば、否が応でも経済の勉強をしなければならなくなるし、少なくとも物が増えることはない。
本は、手放す瞬間に内容が走馬灯のように頭の中を駆け巡る。本に限らず、この世のすべてには、手放すことによって吸収できるという法則がある。
また、1年間使わなかった物も取っておいてはいけない。例えば、1年間使わなかった資料を「またいつか必要になるかもしれない」という理由で取っておくと、机の上やキャビネットが資料であふれかえる。すると、
3,400冊以上の要約が楽しめる