知力、体力、コミュニケーション力、バランス力、魅力……人間には様々な能力がある。それぞれ大切だが、これらのうち最も大切で、あらゆる能力のベースになるのが「自制力」だ。自制力とは「自分で自分を制御(コントロール)する力」=「自分を動かす力」のことを指す。
思った通りに自分を動かせると、人生を思い通りに進めやすくなる。勉強したいと思えば勉強ができて、知力が上がる。運動を習慣にしたいならその通りに行動でき、体力がつく。誰かに話しかけたいと思った時、それをそのまま実行に移せれば、コミュニケーション能力が上がるだろう。
自制力は自分の身を守るためにも不可欠だ。自分を思い通りにコントロールできる人は、食べ過ぎたり、お酒やタバコ、ネット、ゲームなどに依存したりせずに済む。
人生というゲームをラクに生き抜くために、最重要かつ最初に得るべき力。それこそ「自制力」なのだ。
気持ちを上向きにしたいなら、精神科医のミルトン・エリクソンが考案したイエス・セット法が有効だ。
イエス・セット法とは、相手と信頼関係を築く心理テクニックだ。簡単に言うと、相手に対して、「イエス」が答えになる質問を繰り返すだけである。相手は「イエス」と答えるうちに心を開いていき、質問者に対してもポジティブな感情を抱くようになる。
このテクニックは自分にも使える。自分に対して、答えが「イエス」になる質問をしてみよう。
簡単なのは「今自分がしていること」についてたずねることだ。例えば、パソコンに向かって文字を打っている途中にイヤなことを思い出してしまったら、「今、文字を打っているよね?」「イエス!」「パソコンに触っているよね?」「イエス!」「画面が見えているよね?」「イエース!」と、答えが「イエス!」になる質問を3回ほど繰り返し、「イエス!」を連発する。自分を肯定できて、気持ちが上向きになっていくだろう。
常に笑顔でいるのは難しいものだ。感じよく対応したいと思っていても、いつの間にか眉間にシワがよっている……。そんな時こそ「自制力」の出番だ。
心理学の実験によると、強制的に作られた笑顔でも、心にいい影響があることが分かっている。イライラした時や気持ちが落ち込んだ時、無理やり笑顔を作ってみよう。自然と明るい気持ちになる。
加えて、マンガの効果音のように「ニッコリ」などと口に出してみるのもいい。おかしみやシュールさが出て、ネガティブな感情が吹き飛んでいくだろう。
いい習慣をつけたいなら、あなたの「今の数分」は「毎日の数分」だと考えてみよう。今日の行動が、そのまま明日も明後日もその次も……と、永遠にコピーされると考えるのだ。
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